(写真はイメージです/PIXTA)

本記事では、ニッセイ基礎研究所の三尾幸吉郎氏が中国経済の現況について解説します。※本記事は、ニッセイ基礎研究所の中国経済に関するレポートを転載したものです。

需要別・産業別の分析

21年の実質成長率(8.1%)に対する寄与度を見ると[図表5]、最終消費が5.3ポイント、総資本形成(≒投資)が1.1ポイント、純輸出が1.7ポイントだった。

 

[図表5]需要項目別の寄与度
[図表5]需要項目別の寄与度

 

最終消費は前年にコロナショックでマイナス寄与に落ち込んだ反動で高いプラス寄与となった。投資はコロナ対策を縮小したことでプラス寄与が減じた。

 

前年にはコロナ対策として“感染症対策特別国債(1兆元)”の発行や“疫情融資(中小零細企業救済のためのモラトリアム的な金融措置)”を導入して投資を支えたが、21年にはコロナ対策を縮小して緩んだ財政金融を引き締めた。

 

純輸出は輸出が高い伸びを示しプラス寄与が増えた。世界のサプライチェーンが新型コロナの断続的な再発で寸断される中で、中国も無傷ではなかったが、“ゼロコロナ”政策を維持した中国では生産体制が相対的に安定していたため、世界への輸出が高い伸びを示すこととなった。

 

なお、21年10~12月期の状況を見ると[図表6]、純輸出は1.1ポイントのプラス寄与を持続しているが、投資が0.5ポイントのマイナス寄与に落ち込み、最終消費のプラス寄与も期を追う毎に低下するなど、減速傾向にある。

 

[図表6]需要項目別の寄与度
[図表6]需要項目別の寄与度

 

他方、産業別に見ると、21年の実質成長率(8.1%)に対する寄与度は、第1次産業が0.5ポイント、第2次産業が3.1ポイント、第3次産業が4.4ポイントだった[図表7]。

 

[図表7]産業別の寄与度
[図表7]産業別の寄与度

 

特に第2次産業・第3次産業では前年にコロナショックで落ち込んだ反動から高い成長率となった。なお、21年10~12月期の状況を見ると[図表8]、不動産業と建築業がともに2四半期連続でマイナス成長に落ち込むなど不動産規制強化の影響が顕著になってきている。

 

[図表8]産業別の実質成長率(前年同月比)
[図表8]産業別の実質成長率(前年同月比)

 

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    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年1月28日に公開したレポートを転載したものです。

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