(※写真はイメージです/PIXTA)

工場・倉庫建設は、住居や商業オフィスなどの建設とは異なり、建設会社や設計事務所に工場・倉庫の建設実績がなければ、理想の建物を建てることは難しい。にもかかわらず、知識や実績のない会社が安請け合いしている実情がある。パートナーとなる会社選定の重要性について、「温度管理倉庫」の事例をもとに、三和建設株式会社・社長の森本尚孝氏が解説していく。

他社が「近い提案」をできなかったワケ

冷蔵冷凍倉庫の建設の場合、ゼネコンは外側の躯体だけを担って、内側の断熱や冷却設備は専門のメーカーが手掛けるいわゆる分離発注も多い。そのため、他社はこうしたノウハウをもっていなかったのかもしれない。

 

一方、当社は食品工場や冷蔵冷凍倉庫に設計から施工まで一貫して携わってきた経験から、トータルな知識をもっていたことがアドバンテージとなった。大手だからといって、必ずしも最適解をもっているわけではないことを、あらためて認識した案件だった。

 

技術的な良し悪しの判断は専門知識がないと難しいので、多くの施主は発注先の規模や知名度、関係性などに判断を委ねがちだ。

 

しかし、本件では施主が自ら技術面をしっかりと検討したことが、ローコストで高性能な施設の実現につながった。

 

このように施主が自ら検討して判断することで、結果的に費用対効果の高い施設ができることは多い。

 

※ VE(バリューエンジニアリング)

 

VEとは、「Value Engineering(バリューエンジニアリング)」の略。価値工学と訳され、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係を体系化された手法により「価値」の向上を図るというものである。

 

価値と機能・コストの関係は次のような数式で表される。

 

価値(V:Value) = 機能(F:Function) /コスト(C:Cost)

 

変数たるFとCをコントロールし、Vを向上させるには

 

①F→/C↓(コストを変えずに機能を抑える)

②F↓/C→(機能を変えずにコストを抑える)

③F↑/C↓(コストを変えずに機能を向上させる)

 

の3通りの手法が考えられる。

 

VEはCDとは異なる概念であるが後述のCDと同義に語られることも多い。実際はコストを下げることが目的であるケースが多く、①について検討されることがほとんどである。

 

※ CD(コストダウン)

 

CDとは、「Cost Down(コストダウン)」の略で、性能や価値が低下してもよいことを前提として、コストを下げる変更を行うことを指す。

 

 

森本尚孝

三和建設株式会社代表取締役社長

※本連載は、森本尚孝氏の著書『工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫』から一部を抜粋・再編集したものです。

工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫

工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫

森本 尚孝

幻冬舎メディアコンサルティング

新しい工場・倉庫の建設は企業にとって社運を賭ける一大事業である。 これまで多くの工場・倉庫・事務所ビルの建設に携わってきた筆者は、理想の工場・倉庫づくりに最も大切なのは、「一緒に考え、つくり上げていく」パート…

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