(※写真はイメージです/PIXTA)

日本に上場している企業で注目される銘柄を取り上げて解説します。取り上げる銘柄は基本的に中長期保有を前提で選定されています。国際投資アナリストが注目する銘柄を、著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)で解説します。2020年9月末時点で上場している銘柄から選定。

日本国内のローカル視点で選んだ有望銘柄は?

■『日本国内の伝統業態』のテーマ

 

金融

コロナ禍でより地銀再編への機運が高まっているなか、この再編へアクティブなSBIホールディングスや、元々コスト高の要因となっていた店舗自体を持たない形でネット銀行として長く実績のある会社を傘下に持つ企業群が注目できるのでは、と思います。

 

ちなみにソニーフィナンシャル(8729)は、2021年4月からソニーグループの完全子会社になり上場廃止となりました。

 

●SBIホールディングス(8473) 
●ソニー(6758)
←ソニー銀行やソニー生命など、
●ソニーフィナンシャルを含めた企業群
●オリックス(8591
)←オリックス銀行やオリックス生命を含めた企業群

 

エネルギー・電力と鉄鋼

原油や天然ガス価格が低位で推移しており、今後も短期間での需給改善、もしくは価格上昇が見込まれない一方、エネルギーや電力は中長期での目線も必要になり、北米やロシアなど多くのプロジェクトに関わっている商社が注目されやすいセクターにもなります。加えて日本の電力事情は、原子力発電の廃炉や再生可能エネルギーなど新たな課題も多く存在しますし、注目すべき企業がいくつかあると思っています。

 

(エネルギー関連)

●三井物産(8031)←北米やロシア、オーストラリアなど多数の原油ガス案件に関わる
●三菱商事(8058)←三井物産と同様
●日揮(1963)←海外のLNGや化学プラント設計、建造のプロジェクトに関わる

 

(電力関連)

●住友電工(5802)←再エネ拡大による、送配電線の供給に関わる
●日立造船(7004)←原子力発電の廃炉支援や貯蔵支援に関わる
●レノバ(9519)←多くの再生可能エネルギー案件に関わる
●荏原(6361)←風水力など再生可能エネルギー案件に関わる

 

また鉄鋼に関しても、世界最大の消費市場で同時に製造国でもある中国での過剰生産(と生産能力)により、日本の製鉄企業は収益悪化が止まらないものの、原材料など製鉄のバリューチェーン上で恩恵を受ける商社もあります。

 

(鉄鋼関連)

●三井物産(8031) ←製鉄で重要な原材料、鉄鉱石の権益を一番多く持つ商社

 

交通インフラ

JALのように航空会社が破綻した企業はありますが、JRのような規模の鉄道企業が破綻とはならないのでは、と考えています。またJRとなると、国内市場フォーカスのため、成長に限界があり、また経営面で固定費が高く、規制や安全性など影響要因が多数ありますが、その中でも比較的売上分散が図られている(新幹線、在来線、非鉄道等)企業や送電で注目を浴びる企業が下記になります。

 

●住友電工(5802)←送配電の製造に注目
●JR東日本(9020)

 

またWithコロナ時代の収束とリニア新幹線の開通工事への見通しが立てば、JR東海(9022)日本車輛製造(7102)にも注目です。

 

後藤康之
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)

 

 

※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本連載は、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、日本橋出版、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

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