(※写真はイメージです/PIXTA)

いつかは住んでみたいと憧れる人も多いタワーマンションですが、災害時の設備不良や住民間の「階層マウント」などの問題を指摘する人も少なくありません。しかし、不動産鑑定士として活躍する三浦雅文氏は、「さまざまなマンションに住んでみたが、タワマンは住みやすい」といいます。都内タワマン暮らしの実態を「居住者の目線」でみていきましょう。

住んでいる階層によって「住民意識」に違いが生まれる

無意識にエレベーターの行先ボタンに目がいってしまうことも

タワマンは上層階と下層階に大きく2つに分けられます。2018年のテレビドラマでタワマンが話題になり、「ボスママ」という言葉が印象的でした。

 

ドラマは極端ですが、階層の違いが住民の意識の違いを生み出しやすい傾向は確かにあります。

 

特に、エレベーターが高層階と低層階に分かれている場合は顕著になりがちです。相乗りの際、無意識にエレベーターの行先ボタンに目がいってしまうこともあります。

 

当然、階層の違いや自ら住むか投資用かによって、意見の違いが出ます。例えば、理事会や総会で管理組合の意思決定を行うときです。

 

そのため、理事会で意思決定する際は「一部の居住者のためか、全体のためか」の判断を常に求められます。理事会には「住民の合意形成」という見えない苦労があります。

 

ゴミ出し、洗濯物、日あたり、虫…タワマン検討時の「細かな」ポイント

ゴミ出しについては、各階に専用のダストガレージがあり、24時間365日いつでもゴミを出せるのは便利です。

 

タワマンに住む前は、自治体のゴミ出し日に合わせて、天気を気にしながら1階のゴミ置き場に出していました。その苦労から解放されるメリットは毎日のことなので大きいと感じます。ただし、当然その分管理費に反映されています。

 

洗濯物については、組合規則で、ベランダで洗濯物やふとんを干したり、植栽などのモノを置いたりすることを禁止しているタワマンは多いと思います。

 

これは、強風でモノが落下した際、地上の人や車に危害をおよぼすからです。高所からの落下物は凶器です。親子喧嘩して、ベランダに締め出された幼児が、おもちゃを外へ投げ捨て問題になったことがありました。

 

また、ベランダの代わりに浴室乾燥機を利用しますので、日光で洗濯物を干すことに清潔感を感じる人にタワマンはお勧めできません。

 

日あたりは、リビングやベランダが南向きの住戸が必ずしもよいとは感じません。建物の構造が鉄筋コンクリート造なので、夏は直射日光で外壁が温められ室温が30度を軽く超えてしまいます。冬でも日中は半袖生活です。冷房代と暖房代どちらを負担するか、好みの問題です。

 

また、冬至をはさんで太陽の位置が低くなり、ベランダから室内に直射日光が入る構造なので、意外と眩しく、カーテンを閉めることもあります。筆者がもし次に住む時は、東向き、西向きの方位を選ぶでしょう。

 

虫については、高層階でも蚊やハエが風に飛ばされてくることもありますが、ゴキブリは壁をつたって上がってきます。

 

そのほか、高層階は風が強いという指摘もありますが、これは実感がありません。方位による違いもあるのでしょう。

 

ただ、ハトのエサやり場がマンションの近くにあったりすると、高層階や屋上がハトの待機場所になったり、住み着いたりして、糞や羽の害を発生させます。

 

加えて、近くで老朽化した建物を取り壊している場合は、ネズミが逃げ出しているので、無防備な地下駐車場への出入口では気を付ける必要があります。

 

これまでいろいろな住居に住んできましたが、高層階の眺望を除いても、タワマンに住むメリットは大きく、住みやすいと感じています。

 

 

三浦 雅文

不動産鑑定士

 

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