(※写真はイメージです/PIXTA)

多様化が進む現代では、たとえ専門性の高いチームであっても、連携していかないと成果を出すのが難しくなっています。チームとして成果を出し、目標達成する可能性を高めるためのチームマネジメントを見ていきましょう。

4つの「チーム向上行動」とは?

チームで仕事をしている以上、チーム全体の力を高めていくことが重要です。チーム向上行動はメンバーが当事者意識をもってチームに関わりチーム力を高めようとする主体的行動です。

 

【チーム向上行動① チーム力活用行動】

メンバーの力を活かしてより良い仕事をするためのコミュニケーションが、チーム力活用行動です。メンバーの強みやノウハウを、自分の仕事に活かせることがチームで仕事をするメリットです。自分の仕事の質を高めるためにメンバーに意見やアドバイスを求めたり、メンバー同士で深いコミュニケーションを取ったりすることが典型例です。

 

逆に同僚との話し合いが必要な事柄にもかかわらず、同僚には相談せず上司にだけ相談する部下がいたり、一人で仕事を抱え込んでいるメンバーがいたりするのであればチーム力活用行動のレベルが低いといえます。

 

【チーム向上行動② チーム運営向上行動】

チームの運営や活動をより良くするための行動がチーム運営向上行動です。

 

チームが活性化していないとリーダーが悪い会社が悪いと責めるメンバーもいますが、チームの雰囲気を悪くしているのは、実は責めているメンバー自身だということがあります。チームを向上させる責任は管理職や会社にもちろんあります。しかしそれだけではなくメンバー一人ひとりにもあるのです。

 

そういう意識をメンバーが共有し、チーム運営についての提案をしたり、チーム全体に役立つ情報を自発的に収集、発信したりすることがチーム運営向上行動の典型例です。

 

【チーム向上行動③ メンバー支援行動】

自分以外のメンバーの仕事がより良くなるために、出し惜しみせずに自ら支援や提案をすることがメンバー支援行動です。

 

相談されたら協力するレベルはメンバー支援行動とはいえません。常に周囲のメンバーに関心を払い、うまくいっていないメンバーがいたら支援や提案、アドバイスをする行動です。さらにもっと重要なポイントはたとえ相手が困っていなくても自分から情報やアイデア、ノウハウを提供する、進んで協力を申し出るということです。

 

また経験を重ねることで専門性の高い仕事であれば、それぞれが自分なりのノウハウや仕事から得た情報をもっているものです。それらをメンバーに惜しみなく提供しているかどうかもチームのレベルを高めるうえで大変重要になります。

 

【チーム向上行動④ 発信行動】

自分の意見や考えをチーム内で進んで発信することが発信行動です。

 

たとえ反対意見があっても自分の考えを偽ることなく率直に伝えられているか、違和感や問題を感じたら、それを声にすることがポイントです。

 

発信行動というと提案やアイデア出しと考えがちですが、この違和感や問題に対して発言できるかどうかも非常に重要です。「おかしいな」と感じながらいいだせず、結果的に大きなトラブルにつながってしまうことは少なくありません。悪い結果の報告や失敗談を話すことも含め、問題についての発信、進言はリスク回避につながる重要な行動です。

次ページ「自己向上」と「チーム向上」のスコアを比較

※本連載は、橋本竜也氏の著書『TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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