(※写真はイメージです/PIXTA)

自分が歩んできた道のりを総括する「キャリア自分史」の作成は、自分の将来を考えていく上で、あらゆる世代にとって必要となる自己確認の作業です。久恒啓一氏が著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)で解説します。

「キャリア年表」で自分自身を掘り下げる

■「仕事歴」「学習歴」「経験歴」を軸にキャリアを振り返る

 

「キャリア自分史」は、これまで積み上げてきた仕事歴、学習歴、経験歴をもとにして、現在の自分の姿を浮き彫りにするものです。

 

まず、自分の過去を掘り起こすための資料を集めます。過去の手帳や日記帳、名刺ホルダー、年賀状や手紙、写真、電子メール、さらに学生時代についても振り返るなら、卒業アルバム、成績表、卒業文集なども役立つ資料です。

 

これらを参考にしながら、自分の歩みを年表形式でまとめていきます。

 

年表は横軸に「年」と「年齢」をとります。そして、縦軸には「時代/節目」「社会や会社の動き」「仕事歴」「学習歴」「経験歴」をとります。

 

「時代/節目」の項目には、そのころ所属していた部署や役職などを書き込みます。「社会や会社の動き」は、その当時に起きた大きな事件や社会現象、社内に関しては、歴代社長、経営上の特筆事項などを記入していくと、記憶をたどるときの目安になります。

 

キャリアについては、「仕事歴」「学習歴」「経験歴」の3つの軸に分けて、過去の自分を多角的に検証していきます。

 

■事実の列挙ではなくストーリー性を持った年表にする

 

「キャリア年表」は、これまでの歩みをキャリアストーリーとして振り返り、自分自身を掘り下げるためのものですから、単に時系列に沿って事実を羅列していくだけでは、ストーリー性は生まれません。

 

たとえば、「仕事歴」には、そのときの役職だけでなく、課せられたミッションなども簡潔に記入しておきます。完成した年表を見ると、自分自身がどのように成長し、キャリアを発展させてきたかが俯瞰できるはずです。

 

「キャリア年表」は、毎年成長し、年輪を一つまた一つと重ねて生きた証しです。変化の速いビジネスの世界だからこそ、年表を一度完成させただけで満足せず、定期的に作成していく継続性が求められます。

 

そうすれば、3年前の自分、あるいは、去年の自分とどのように変わったか、第三者の視点から相対化し、客観的に評価することもできるでしょう。もし、読者が40代前半であるとすれば、50代が近づいたとき、自分はどのような人生戦略を立てればいいのか、課題が姿を現してくることでしょう。

 

私の40代のころの仕事の動きの全貌を記述した年表(図2)を例として載せておきますので、参考にしてください。

 

久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)から引用。
【図2】キャリア年表(40歳代)記入例 久恒啓一 久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)から引用。

 

久恒 啓一
多摩大学名誉教授・宮城大学名誉教

 

 

 

※本連載は、久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

50歳からの人生戦略は「図」で考える

50歳からの人生戦略は「図」で考える

久恒 啓一

プレジデント社

「人生鳥瞰図」で仕事も人生もうまくいく! 大人のためのキャリアデザインの教科書。 私は日本人の「アタマの革命(図解)」と「ココロの革命(遅咲きの人物伝)」の二つをライフワークとしている──。 こう語るのは、…

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