(※写真はイメージです/PIXTA)

整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)。中小企業診断士である宮内健次氏は、書籍『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)のなかで、「5S」の重要性を説いています。簡単そうでなかなか難しいその中身、一つずつ見ていきましょう。

なんでこんな汚いの…「発生原因考察表」で究明する!

■清潔・躾(しつけ)は2S

 

3Sによって整備されたよい環境が崩れないようにするのが清潔であり、3Sを中心としたルールを守る風土を作るのが躾です。この2Sによって、3Sが会社に根づいていくことになります。

 

清潔とは、整理・整頓・清掃(3S)によってできたきれいな状態を維持することです。整理・整頓・清掃が“行動”を表わすのに対して、清潔は“状態”を表わしています。社員の安全と衛生をよく管理し、生産性の高い作業環境を保ち、機械・設備を故障させずに効率的に運転し、製品の品質を向上していくために、清潔な状態を維持しましょう。

 

■清潔は3Sの問題を解決する

 

具体的には、誰でも毎日3Sができるよう、整理・整頓・清掃それぞれの運用基準を明記した標準手順書を整備します。この標準手順書は社員に周知し、会社に定着させます。

 

3Sに関して問題が起こったときに対処するのも、清潔の活動です。何度も同じような問題が発生する場合、再発防止策を講じます。発生原因考察表を使って、どの設備や材料などについて問題が発生しているのかを究明し、その原因に対する処置を実行するとよいでしょう。整理については不要品が発生しない仕組みを、整頓については乱れない仕組みを、清掃については汚れない仕組みを構築してください。

 

ワンポイント
清潔が崩れやすい3Sをガードするようになる。
具体的行動
標準手順書を整備して、3Sを維持していこう。

社員の「躾(しつけ)」…くり返し、辛抱強く指導

■辛抱強く、くり返し徹底

 

躾とは、職場のルールを守るようにすることです。

 

就業規則を始め、各職場で定められたルールを社員が守ってこそ、職場は安全になり、生産性も向上し、企業はよい方向に発展します。

 

躾ができていないと、整理・整頓・清掃の効果は続かず、また、顧客に悪いイメージを与えてしまって、信用を落とすことになります。躾を徹底するためには、社員全員で話し合いを行うなどして、社員の理解を得ながら職場のルール作りを行うことが大切です。

 

■具体的な行動

 

まずは、職場にどのようなルールがあるか点検します。必要なルールが存在しなかったり、内容が不明瞭だったりすると、躾の徹底は困難です。必要に応じて、ルールを整備しましょう。また、ルールがあってもそれが全員に知らされていない場合は、ルールの周知を行います。

 

そのうえで、社員がルールを守っていける環境作りをしましょう。社員がルールを守っていないことに気づいたら、その場で注意するのが大切です。くり返し、辛抱強く指導していきます。

 

もしそのまま守ることが難しいルールであれば、同じ効果のある別のルールに変更することも検討してください。

 

ワンポイント
躾は職場のルールの順守であり、これにより3Sの効果が続き、働きやすい職場となる。
具体的行動
職場のルールを作り、順守を継続していこう。

 

 

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

 

 

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

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宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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