(※写真はイメージです/PIXTA)

工場や倉庫の建設を考える際には、立地の特性をしっかりと見極めることが大切である。法的な問題だけでなく、近隣がどのようなエリアであるかにも注意したほうがよい。では「今後住宅が建設される可能性があるエリア」についてはどう考えるべきだろうか。工場・倉庫の立地の注意点について、三和建設株式会社・社長の森本尚孝氏が解説していく。

「従業員の通いやすさ」は重視すべきか

「従業員が通いやすい立地がよい」と言う施主は実に多い。しかし「パートタイマーの従業員を継続雇用したい」を条件にすると、大抵は土地探しが難航する。なぜならパートタイマーの通勤範囲は、概ね半径1~2㎞に限定されることになるからだ。

 

工場や倉庫に適した用地は限られている。工場や倉庫に使えるような、それなりの規模の土地は売りに出ることがそもそも希少である。

 

さらに、前述したように用途地域などの制限もかかる。事業用地は不動産情報として表立って公開されることがあまりなく、また好立地は希少なのですぐに売れてしまう。

 

筆者の経験上、通いやすさについてはそこまで深刻に考えずともなんとかなることが多い。各々通勤手段を工夫したり引っ越したりして通勤に適応するし、パートタイマーの従業員はそもそも徐々に入れ替わるものであり、新しい事業所と働く人とは時間が経つとともになじんでいくものである。

 

通いやすさにはある程度目をつぶり、生産活動にふさわしいかどうかを優先して土地を選んだほうがよい。

 

ちなみに建設会社にも不動産業者との付き合いがある企業が存在し、そこから土地を斡旋される場合もある。この場合は建築条件付きとなって工事費の価格交渉がしにくくなることがあるので注意が必要である。

 

 

森本 尚孝

三和建設株式会社 代表取締役社長

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    森本 尚孝

    幻冬舎メディアコンサルティング

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