日本の住宅は、他の先進国と比べて「断熱・気密性能」がかなり低くなっています。冬の脱衣所が寒いのも、結露が発生しやすいのも、この性能の低さが原因です。家を建てる際には、「断熱性能」の高さを重視し、健康で快適な生活を実現したいもの。さらに、「高気密・高断熱住宅」では家事も楽になることが明らかになっています。なぜ楽になるのか、住まいるサポート株式会社代表取締役の高橋彰氏が解説していきます。
「ほこりは減り、結露はなくなる」ワケ
ほこりが減るもう一つの理由には、「気密・断熱性能にこだわる工務店は、自然素材の建材にこだわる会社が多いこと」が関係します。
室内の仕上げ材をビニールクロスにすると、壁が静電気を帯び、ほこりを吸い寄せて、そこに湿気などが合わさりべたついて固まります。これが床にぽろっと落ちるので、ほこりが目立ちます。
室内の仕上げをビニールクロスなどの工業製品ではなく、漆喰等の自然素材にすると、静電気が減るためにほこりが減るのです。
⑤結露がなくなるので、拭く手間がない
高気密・高断熱住宅では、普通の暮らしをしていれば、結露が生じることはありません。結露は、居住者の健康・家の耐久性にとても悪い影響を及ぼします。
そして結露を拭く手間がなくなることで、その分、家事負担の軽減になります。
その他、「冬の風呂掃除が寒くない」「季節ごとの物の入れ替えの多くが不要になる」「洗濯物が室内干しでも臭くならずすぐに乾く」等、数々のメリットがあり、トータルでとても家事が楽になるのです。
高橋 彰
住まいるサポート株式会社 代表取締役
住まいるサポート株式会社 代表取締役
一般社団法人日本エネルギーパス協会 広報室長
神奈川県出身。東京大学修士課程(木造建築コース)修了、同大博士課程在学中。千葉大学工学部建築工学科卒。リクルートビル事業部、UG都市建築、三和総合研究所、日本ERIなどで都市計画コンサルティングや省エネ住宅に関する制度設計等に携わった後、2018年に「結露のない健康・快適な住まいづくり」のサポートを行っている住まいるサポート株式会社を起業。日本でトップクラスの性能を誇る工務店・ハウスメーカーを厳選して提携し、消費者に無料で紹介する「高性能な住まいの相談室」や、デザインと高性能を両立する設計を行う建築家のマッチングサービス等を提供。また、横浜市住宅政策課主催のセミナーや毎日新聞社主催のセミナー等、多数のセミナーに登壇、メディアへの出演など、高性能な住まいづくりに関する情報発信に積極的に取り組んでいる。住まいづくりを考えている方々への情報発信を通して、ひとりでも多くの方が、住宅の性能に関する基礎知識を持ち、他の先進国並みに「結露のない健康・快適な家」を普及させることを目標としている。主な著書に、「元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家」(クローバー出版)、「人生の質を向上させるデザイン性×高性能の住まい: 建築家と創る高気密・高断熱住宅」(ゴマブックス)など。
●高性能な住まいの相談室:https://sml-support.com/lp
●建築家と創る高気密・高断熱住宅:https://sml-support.com/archicon
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