(※写真はイメージです/PIXTA)

私立高校の教諭としてキャリアを積んだ、株式会社対話教育所の代表取締役・小山英樹氏。本記事では、教師という職業の特殊性に焦点を当て、解説していきます。

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教師集団が「特殊」であることを痛感させられた出来事

九州某県教育センター主催の高校教員研修会で、私はこんな問いかけをしました。

 

「一般的な企業で年間1億万円の売上があったとします。いろんなコストを差し引いて、最終的に会社に残る利益はいくらぐらいでしょうか?」

 

この問いに「30%の3000万円」とか「50%の5000万円」とか答える教師が続出したのです。呆然としました。

 

その瞬間も会場の外の社会では、ビジネスマンや商店主が駆け回っています。それは「3%〜5%」の利益を捻り出すためです。30%も利益を出す会社は、独自性の高い爆発的ヒット商品を有しているか、悪徳業者かのどちらかです。

 

そうした現実から見れば、その教師集団は「特殊」だと言わざるを得ません。しかもこの研修会は、進路指導主任の集まりだったのです。この出来事から、公教育が周囲に張り巡らせた壁の高さを痛感しました。

 

壁を造ることで得られるものがあるのでしょう。しかし、そのままでは壁の中で、教師も児童生徒も滅びてしまうような気がしたのです。

 

私はミッションの一つに「公教育と私教育の壁を取り払う」ことを掲げました。それ以降、私たちが開催する研修・講座やイベントはすべて「公私の交流」をコンセプトにしています。

 

喜ばしいことに、ここ数年で状況は変わりました。公立学校でも教育センターでも、抵抗なく民間の知見を活用するようになってきました。

次ページ大学を出てすぐに「先生」と呼ばれる特殊性

※本連載は、小山英樹氏の著書『教室改革』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

教室改革

教室改革

小山 英樹

幻冬舎メディアコンサルティング

「教育コミュニケーション」を実践すれば教師という仕事をもっと楽しめる 校務分掌、保護者対応、職員会議……次々に仕事が湧き出て時間が足りないーー。 教師の本分である教材研究や、生徒の個別対応に割く時間はどんど…

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