(※写真はイメージです/PIXTA)

5Sとは整理、整頓、清掃、清潔、躾、5つの言葉の総称です。5S活動を行うと、職場環境が整うだけでなく、無駄もなくなります。結果として、作業の効率化、生産性の向上が実現できます。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、5Sの重要性をわかりやすく解説します。

5Sを継続させる仕組みをつくる

■ 継続するための仕組み作り

 

当然のことですが、せっかく5S活動の仕組みを作っても、続けられなければ意味がありません。5Sを継続していけるような仕組みを作りましょう。

 

1つには、5Sマニュアルを作成することです。これには5S活動のための基本的なプログラムを、目に見える書類の形にした5S推進計画書も含まれます。

 

おもなコンテンツは整理・整頓・清掃・清潔・躾それぞれの手順書です。それ以外に、5S委員会の構成や推進ブロックの区分などを記載してもよいですし、5Sの目的や定義などを見失わないように明記しておくのも有効です。 5S委員が各ブロックを回って5Sが行われているかを点検する5Sパトロールも有効です。

 

まず事前に、5S委員が5Sチェックリストを作成します。そのリストを持って委員は各ブロックをパトロールし、項目ごとに評価します。そして、評価の低い点を改善していきます。

 

5Sチェックリストは、事務部門と現場部門とに分けて作成します。それぞれの部門での5Sについて、会社がめざすあり方を5Sを推進させる

 

意識して、チェック項目を作ってください。

 

■その他の取り組み

 

5Sの推進ブロックを決めましょう。会社の中で、どの空間の整理・整頓・清掃・清潔をどの部署が担当するか、ブロック分けをするのです。

 

基本的に、1つの部門が使用しているエリアは、その部門で担当します。そのエリアを、いくつかのまとまったブロックに細分化しましょう。そして1ブロックにつき、5〜10人を割りふります。また、廊下や階段のような共用部分は、5S委員会でよく協議して、いずれかの部門にふり分けます。

 

また、5Sの効果がわかるように、定点撮影を行いましょう。

 

5S活動を始める前に、各ブロックで、撮影位置と撮影方向を決めて、写真を撮影します。撮影した写真は、社内掲示板に掲示するなどして、全社員に見せます。そして5S活動を行ったあとに、同じ位置で写真を撮って比較するのです。

 

こうすると、5Sによっていかに社内環境が改善されたかが一目でわかり、社員は達成感を味わうことができます。

 

ワンポイント
5Sの絶大なメリットを継続、維持させるためにさまざまな取り組みがある。
具体的行動
委員会を作り、書類を作り、各ブロックに細分化する。そのことで目標達成を促す。

 

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

 

 

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

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宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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