(※写真はイメージです/PIXTA)

ウイルス性胃腸炎は冬場に流行りやすく、この時期は保育園などで大流行の恐れがあります。また、子どもがウイルス性胃腸炎にかかった際、適切に対処できなければ症状が悪化する危険もあると、小児科医の米田真紀子氏はいいます。ウイルス性胃腸炎に関する正しい知識とともに、もし子どもがウイルス性胃腸炎になった際、気を付けなければならないことをみていきましょう。

「ウイルス性胃腸炎」…具体的にはどのような症状?

ウイルス性胃腸炎の主な症状は、どのウイルスにも共通していますが、発熱(ないこともある)、嘔吐、下痢、腹痛です。

 

ノロウイルスひとつとっても、遺伝子型がたくさんあるため、一生のうちで何度も感染してしまいますが、一般的には初感染時がもっとも重く、感染を繰り返すごとに症状は軽くなります。

 

また、体に入ったウイルス量が多ければ多いほど、発症時の症状も強くなる傾向があります。

 

症状は、まず前兆もなく突然の嘔吐で発症するケースが多く、嘔気や嘔吐が半日から1日程度続きます。

 

嘔吐が起こってから、あるいは嘔吐が落ち着いてくると、腸の動きが激しくなることによって腹痛が起こり、次第に下痢症状が目立つようになります。

 

症状の強さには個人差があり、嘔吐がみられないケースや、下痢がない場合もあります。経過中、もっとも辛いのが嘔吐を繰り返す時期で、小さな子どもの場合は、この時期にどのように過ごすかで、その後の経過が変わってきます。

コップ1杯の水ではなく、スプーン1杯の経口補水液から

胃腸炎で嘔吐を繰り返しているとき、多くの場合、子どもは水分を欲しがります。大抵はこのときに、子どもの要求に応じて多くの水分を摂らせすぎることで、また嘔吐を誘発し、脱水の悪循環に陥ってしまいます。

 

まず大切なのは、1度に摂取させる水分の量を調整することです。コップに少しだけ、と思って注いでも、実は許容量オーバーなことが多いので、はじめはスプーン1杯程度の量から摂取させるとよいでしょう。

 

足りない、と泣いて抗議されるかもしれませんが、とりあえずなだめてそこから5分から10分は様子を見ましょう。

 

そして、嘔吐がなければ次はスプーン2杯、その次は3杯、というように、極少量から少しずつ増やしていくのがコツです。

 

さらに、摂取させる飲み物ですが、水やお茶では糖分も塩分も不足してしまうので、なるべく「経口補水液」と呼ばれるものを購入するか、自作して飲ませるようにしましょう。

 

経口補水液は糖分や塩分を効率的に吸収しやすいように配合されている溶液なので、適切に摂取できれば、点滴と同等の効果が得られるといわれています。

 

嘔吐を繰り返していても、この方法であれば少しずつ摂取できることがほとんどです。吐き気止めの内服薬や坐薬もありますが、実際にはこちらの方法のほうが効果的です。

 

経口補水液は1日かけて、幼児では約500ml、学童期以降では1000ml程度摂取できるとよいです。

 

嘔吐が収まると、多少食欲がでてくる子もいますが、お腹になにかを入れると、腸が過剰に反応して腹痛を起こし、すぐ下痢をしてしまうことがよくあります。

 

感染性胃腸炎の腹痛や下痢に対しては有効なお薬はないため、消化にいいものを少しずつ、胃腸を休めながら摂取していくしかありません。

 

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