(※画像はイメージです/PIXTA)

後継者不足は中小企業経営において大きな課題のひとつ。従業員や第三者への譲渡などの方法が増加していますが、一番に考えるのは子どもへの承継ではないでしょうか。昨今の子どもの承継意欲は、どれほどのものなのか、日本政策金融公庫総合研究所『子どもの事業承継意欲に関する調査』を通してみていきます。

中小企業経営者の子ども「継ぎたくない理由」とは?

続いて「継がない理由」を無関心層に尋ねると、最も多かったのが「事業経営に興味がないから」で35.4%。「必要な技術・ノウハウを身につけていないから」が「自分は経営者に向いていないと思うから」と続きます。

 

【「継がない理由」上位7】

「事業経営に興味がないから」35.4%

「必要な技術・ノウハウを身につけていないから」26.5%

「自分は経営者に向いていないと思うから」26.2%

「必要な免許・資格を取得していないから」19.7%

「事業の先行きが不安だから」16.0%

「事業経営のリスクを負いたくないから」15.3%

「今の仕事を続けたいから」「収入が不安定になるから」12.2%

 

出所:日本政策金融公庫総合研究所『子どもの事業承継意欲に関する調査』より

 

継がない理由として、そもそも事業への無関心のほか、能力不足が多く、また事業経営のリスクも事業承継の足かせになっています。

 

また無関心層に中小企業経営者に対するイメージを尋ねると、「好きなことを仕事にしている」28.9%、「経営について自分で決められる」22.4%、などポジティブなイメージをもちつつ、「取引先や従業員に対する責任が重い」「経営について自分で決めなければならない」がともに37.4%と、ネガティブなイメージの割合が高い傾向にあります。

 

【中小企業経営者のイメージ上位7】

「取引先や従業員に対する責任が重い」「経営について自分で決めなければならない」37.4%

「好きなことを仕事にしている」28.9%

「常に忙しい」27.9%

「経営について自分で決められる」22.4%

「仕事の選り好みができない」19.0%

「柔軟な働き方をしている」18.0%

「もうかっていない」16.7%

 

出所:日本政策金融公庫総合研究所『子どもの事業承継意欲に関する調査』より

 

さらに「親が事業を経営していて良かったこと・悪かったこと」を尋ねたところ、承継決定者や後継予備軍では「お金に困ることがなかった」などの割合が高いのに対して、無関心層では良いこと・悪いことともに「特にない」がほかの類型よりも圧倒的に高い傾向にありました。

 

後継者不足の要因として「無関心」「能力不足」「経営リスク」の3つがみえてきました。

 

能力不足については、一般社員として入社してもらい経験を積んでもらうなどしてカバーすることはできますし、事業経営のリスクについても企業努力でカバーできる部分もあるでしょう。

 

しかし「無関心」は親が事業を経営していて良かったことも悪かったことも「特にない」という経験からきていると推測されることから、後継者問題が露呈してからでは遅いことは明白です。

 

――親の会社に興味はない

 

そういわれたら、ほかの手段を考えるほかなさそうです。

 

 

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