(写真はイメージです/PIXTA)

電子契約サービスを導入する企業が増えていますが、電子契約は紙の契約(書面での契約)と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の弁護士の西尾公伸氏が、電子契約サービス導入のメリットとデメリットを解説します。

電子契約のメリット

では、電子契約にはどのようなメリットがあるでしょうか。一般に、次のようなメリットがあると言われます。

 

①費用の削減につながる

 

紙代、郵送代等の費用がかからないほか、電子契約なら、印紙税も課税されません。

 

②作業効率が向上する

 

紙の契約書作成の場合、パソコンで起案した契約書をプリントアウトし、製本し、押印をして、郵送するという手順を踏みますが、電子契約であればプリントアウトや郵送は不要です。しかも、遠隔地同士でも、インターネットですから、ほぼ一瞬で契約書の授受ができます。

 

③省スペース

 

紙一枚一枚は薄いはずなのですが、書類というのは、なぜかすぐにかさばってきますね。契約書類の保管のために使っているたくさんのスペースをなくせれば、もっと広々とオフィスを使えるかもしれませんし、賃料も浮くかもしれません。

 

④コンプライアンスの強化につながる

 

契約書類の紛失、持ち出しのリスクが減ります。また、電子データベースに契約文書が保管されていれば、例えば不正調査の際に対象部署が、問題の契約書類をどこかに隠すということはできなくなりますので、コンプライアンスの向上につながると言えます。

電子契約のデメリット

他方、デメリットとして一番大きなものは、電子契約導入の労力が大きいという点が挙げられます。システムの導入や管理体制の整備はもちろん、社内での調整、取引先への説明等の手間がかかります。

 

電子契約は、まだまだ一般的とは言えませんから、取引先によっては電子契約によることを同意してくれないおそれもあります。その場合、電子契約と紙の契約書が混在することになります。

 

いかがでしたでしょうか。電子契約については関連書籍がたくさん出ていますから、ぜひ目を通してみてください。そして、電子契約の導入を検討する際には、弁護士へご相談ください。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所 弁護士

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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