老後を見据えて資産形成を始めるうえで知っておきたいのは、将来、受け取るだろう「年金額」。厚生労働省の資料から最新の年金事情をみていきましょう。
会社員夫婦、平均年金「28万円」だが…さらなる「年金減額」の現実味 (※写真はイメージです/PIXTA)

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65歳以上の平均年金額…男性「17万0,391円」、女性「10万9,205円」

老後もらえる年金は、どれくらいなのでしょうか。厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の平均年金額は老齢年金で月額5万6,358円、厚生年金保険(第1号)の平均年金額は老齢年金で月額14万6,145円でした。自営業だった人は月に5万円強、会社員や公務員だった人は月に14万円強、というのが相場です。

 

現在の年金制度では基本的に65歳から年金を受け取ることができますが、希望すれば60~70歳の好きなタイミングで受給を開始できます。受給開始を60~64歳へ前倒しするのが「繰り上げ受給」、65歳以後から70歳まで遅らせるのが「繰り下げ受給」といいます。繰り上げ受給の場合、受給額は1ヵ月早めるごとに0.5%ずつ減額されますが、2022年4月以降は0.4%に変更になります。一方、繰り下げ受給の場合は、1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ増えていきます。

 

繰り上げ受給を加味し、厚生年金保険(第1号)の平均年金額をみていくと、男性65歳以上で17万0,391円、女性65歳以上で109,205円。基本通りに年金を受け取る場合、男性会社員であれば、平均してプラス3万円ほど、受給額は多くなっています。また女性のほうが繰り上げ受給している人は多い傾向にあります。

 

【厚生年金保険(第1号)老齢年金平均受給額の推移】

■男性

60歳 92,271円(0.4万人)

61歳 104,007円(1.1万人)

62歳 113,300円(1.4万人)

63歳 90,544円(31.8万人)

64歳 91,322円(42.1万人)

65歳以上 170,391円(994.8万人)

 

■女性

60歳 82,547円(0.1万人)

61歳 54,791 円(10.1万人)

62歳 54,887 円(12.9万人)

63歳 50,889円(13.4万人)

64歳 49,926 円(14.7万人)

65歳以上 109,205円(487.2万人)

 

出所:厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より

※(かっこ)内は受給者数