(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産業界のビジネスは「千三つ=千に三つの成約しかない」との格言もあるほど厳しいものです。しかしその一方、上客から突然高額な利益をもたらされる「超ラッキー」な契約が舞い込むこともあります。このような背景から、不動産業界には、いまなおジンクスやゲン担ぎが生きているのです。業界の背景とともに、いくつか事例を見てみましょう。

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      不動産業者が遭遇した「超ラッキー」な事例

       

      ある不動産業者が遭遇した、ラッキーな事例を紹介しましょう。

       

      Aさんは大手不動産会社の支店長で、だれよりも早く出勤し、店舗前の遊歩道を掃除するのが日課でした。通勤ラッシュの時間帯になると、集団登校の小学生や自転車通学の学生、会社員など、さまざまな人たちが足早に通り過ぎていきます。

       

      そんななか、ゆっくりとした足取りで朝の散歩を楽しむ老夫婦の姿がありました。老夫婦は掃除しているAさんを見て、「きれいになりますねぇ」といつもねぎらいの言葉をかけてくれます。

       

      Aさんは不動産業者にありがちな「御用聞き営業」が苦手なタイプです。このご夫婦にも、あいさつや軽い世間話をする程度にとどめ、込み入ったことは一切聞きませんでした。

       

      そんなやりとりが1年ほど続いたある日、突然、老夫婦の姿が見られなくなりました。Aさんが気を揉んでいると、数日後、奥さんが1人で歩いているではありませんか。Aさんが声をかけると、旦那さんは足を骨折して入院中だというのです。

       

      思わず「お見舞いに伺いたいです」と口にしたところ、やんわり断られてしまいました。「しまった、営業だと思われたか…」とAさんは申し出を後悔しましたが、奥さんは翌日も変わらず散歩に訪れ、朝の交流はその後も続きました。

       

      数週間後、奥さんから「リハビリも順調でだいぶ元気になりました。もしよかったら顔を見にいらしてくださいませんか?」と、自宅の住所を教えられたのです。旦那さんはすでに退院しており、自宅療養に入っていました。自宅の場所は人気の邸宅街で、中古住宅でも億単位の値が付くエリアです。

       

      訪問したAさんは応接室へ通され、松葉杖を携えながらソファに腰かける旦那さんと久々に再会しました。応接テーブルの上には、分厚い設計図面集と古い権利書が数冊置かれており、旦那さんは「骨折をきっかけに今後が不安になりました。自分で判断できるうちに資産整理をはじめたいと思います」と、Aさんに所有不動産の売買を依頼してきたのです。

       

      毎日の掃除や挨拶が、数年後のミラクルに結びつくこともあるという事例です。不動産業者目線でいうなら「簡単に契約が取れると思うな、千に三つくらいの覚悟で地道に取り組め」という自戒なのかもしれません。

       

       

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        ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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