相続税対策に使われる不動産投資…メリット・デメリットをCFPが解説

今月12月10日に公表された税制改正大綱。結果的に大きな変更等はありませんでしたが、注目の「相続税と贈与税の一体化」は引き続き検討されそうです。この制度改正の可能性に対して、どのように資産を守っていくべきか。FPの最高位資格であるCFP®を20代で取得し、過去2,000件以上の資産形成の相談実績がある株式会社ノークリーの樋口祐樹氏が、相続税対策としてよく使われる「不動産投資」のメリット・デメリットを解説します。

まだまだある…不動産投資の「節税」メリット

給与所得が一定以上ある人の場合、所得税と住民税の節税効果も望めます。不動産事業で所得のマイナスを作ることができるからです。

 

具体的には不動産事業を行ううえでのさまざまな経費や、減価償却により作り出した赤字を利用します。減価償却とは、固定資産を購入した年に全額分の費用を計上するのではなく、毎年少しずつ分割した金額を費用計上できる仕組みです。

 

これにより、すでに支払い済みの支出を分割し毎年の赤字として計上することができます。例えば、給与の課税対象額が1,000万円の人が不動産所得で250万円の赤字を作った場合、課税所得は750万円になります。

 

このように、不動産所得の収支を給与の課税対象額と合算することを損益通算といいます[図表2]。

 

[図表2]不動産投資の節税効果
[図表2]不動産投資の節税効果

現金価値が目減りする「インフレ」対策としても有効

経済的な環境変化に強いことも不動産投資のメリットの1つです。経済的な環境変化とはなにか? それは「インフレ」です。ここでインフレの定義を再確認しましょう。

 

インフレとは、物価の上昇と相対的なお金の価値下落を意味します。日本ではここ50年でモノやサービスの値段はゆるやかに上がりました。つまり、お金の価値が下落しているのです。

 

では今後はどうなるでしょう。未来のことはわかりませんが、少なくとも日本政府はそれを目指しています。2013年、日本政府は毎年2%ずつのインフレを目標に掲げました。

 

2021年4月に10年で1%という目標に修正したものの、ゆるやかなインフレを起こそうとしていることに変わりはありません。

 

仮に政府が当初に掲げた目標のとおり、毎年2%ずつお金の価値が下がった場合、35年後のお金の価値は、なんと半分になります。

 

一方、不動産は現物資産であり「物」なので、インフレによって価値が上がっていきます。つまり、15年や30年という長期的な目線で資産を守っていくと考えた場合、現金よりも不動産などの現物資産のほうが、価値が減衰しにくいということがいえます。

不動産投資のデメリット…目利きが難しい点

「資産防衛」という点に関してメリットの多い不動産投資ですが、デメリットもあります。それは目的にあった物件選定をする必要があり、その目利きが素人では難しいケースがあるということです。

 

不動産であれば資産防衛策として万能、というわけではなく、都内、地方、区分、一棟、木造、鉄筋コンクリート(RC)などの条件や立地、価格帯等から最適なものを選定する必要があります。

 

そして、その物件選定を一層難しくしているのが、不動産業界に存在する売り手側と買い手側の情報格差です。

 

2018年の「かぼちゃの馬車事件」では株式会社スマートデイズとスルガ銀行の不正融資が社会問題になり、2019年にも東証一部上場のTATERUが融資資料を改ざんする等、不動産業界の不祥事が相次ぎました。

 

こういった不動産会社の体質も、消費者側に知識や情報がないことが原因となり、販売側が不正をしやすい環境になっていると思われます。

 

対策としては、不動産の購入を検討する際は必ず複数の業者から話を聞き、さらに第3者の意見を取り入れることが不可欠です。

 

 

樋口 祐樹

株式会社ノークリー

将来設計のセカンドオピニオンサービス『セカオピ』
チーフアドバイザー

 

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株式会社ノークリー 将来設計のセカンドオピニオンサービス『セカオピ』
チーフアドバイザー

20代でFPの最高位資格であるCFPやプライベートバンカー、宅建を取得し、金融・税金・相続・保険・ライフプラン、不動産等の幅広い見識を持つ。証券会社に就職後、ファイナンシャルプランナー会社にて不動産賃貸や売買の実務等を経験後、ノークリーにジョイン。クライアントファーストのわかりやすい説明や提案に定評があり、セミナー講師としても年間50本ペースで登壇、活動中。

株式会社ノークリー
セカオピ

 
 

著者紹介

連載2000件以上の相談実績を持つ人気CFPが解説!資産の「作り方」と「守り方」

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