(画像はイメージです/PIXTA)

本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社の「グロース株か?バリュー株か?アクティブ・マネージャーの見解」最新レポートを一部抜粋したものです。

イノベーション経済には「3つのデフレ要因」がある

人類史上、技術イノベーションは低成長局面で繰り返し起きてきました。我々はイノベーションが加速する時代に生きています。イノベーションの加速により、製品・サービスのコストや労働需要はともに低下し、インフレ率は低く抑えられています。

 

イノベーションにより、製品・サービスの開発・生産のスピードは速まり、コストも低下します。他の要因が一定とした場合、イノベーションにより供給曲線は右にシフトします。その結果、生産が増える一方、価格は低下します。

 

イノベーションによるコスト下落の例…コンピューター

 

イノベーションにより製品・サービスのコストが下落した例として、コンピューターがあります。1971年に登場した世界初のパソコン「Kenbak-1」の価格は、現在の5,066米ドルに相当します。1975年発売の「IBM5100ポータブル・コンピューター」は重さが50ポンドもあり、最廉価版でもインフレ調整後でおよそ4万5,637米ドルでした※2

 

今日では、[図表3]に示す通り、ほぼ誰もが1970年代のパソコンの数分の一の価格で、飛躍的に性能が向上し軽量化されたパソコンや携帯電話を所有しています。

 

[図表3]コンピューター・周辺機器・スマートホームアシスタント機器の消費者物価指数:米国都市平均
[図表3]コンピューター・周辺機器・スマートホームアシスタント機器の消費者物価指数:米国都市平均

 

また、イノベーションは生産性の向上をもたらし、労働コストを低下させます。企業レベルで言うと、最新のソフトを使えば、古いソフトを使った場合の20~30人分の仕事を1人で行うことができます。

 

マクロレベルで言えば、マット・クライン氏によると「パンデミックが発生して以来、製品・サービスの実質的な消費総額が7%以上増加した一方、小売り、卸売り、トラック輸送、倉庫、宅配などの流通業界で働く人数は約2.5%減少しました。

 

言い換えれば、米国では、小売り・物流業界の労働者当たりの購入可能な製品・サービスの量は、1年足らずで10%も増加しました」※3

 

こうした例は、すべてにあてはまるものではありませんが、イノベーション経済には以下の3つのデフレ要因があります。Eコマースの台頭、アセットライトのビジネスモデルの適用、賃金の上昇を抑えるテクノロジー主導の生産性です。

 

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