(※画像はイメージです/PIXTA)

大阪弁が原因で息子がいじめられたとき、母親はドーンと構えて、心配しているそぶりは一切見せなかったという。転校してわずか1学期、母親がとった驚きの行動とは。※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

親は子どもが仲間外れにされても怖がらない

いじめにかぎらず、子どもの場を増やしてあげるのは、経験知を高めることにつながります。

 

たとえば、親友に自分の意見が否定されたとき。親友であっても、100パーセント自分と同じ考え・感情を抱くわけではありませんから、否定されることだってありますよね。でも、経験知の少ない子どもたちは、「自分と他の人は違うんだ」ということに、気づきたがらないものです。

 

過剰に「全否定された」と傷ついたり、「もう親友なんかじゃない」と怒ったり、絶望したり。または、相手の意見に迎合してその場を取り繕う術しか知らなかったり。

 

しかし、そういう成功体験の積み重ねによって、

 

「世の中にはいろんな意見があるよな。親友だからといって、すべての意見が同じであるわけじゃないんだな」

 

と受け入れられるようになる。それが子どものひとつの成長になります。

 

「意見の相違があったところで、自分の人格や存在が否定されたわけじゃない。アイツは変わらずオレの親友だ」

 

と、人との付き合い方、自分との向き合い方にもバランスが取れてきます。

 

そのためには、まずは親自身が仲間外れにされることを怖がらないこと。大人が仲間外れを怖がっていたら、子どもが仲間外れにあったとき、きちんと受け止めることができません。

 

仲間外れにされたって、別の場所に行けば、どこかにあなたを受け入れてくれるところが必ずあります。安心してください。

 

そして、親は子どもが仲間外れにされるのも怖がらないこと。

 

子どもが世の中でよしとされているような性格でなかったとしても、建て前論や自分の恐怖心で子どもの性格を変えようとしないこと。

 

そうすれば、ちょっとくらい周りから浮いてしまったりしても、自信がなく人の顔色を窺ってばかりの子ども、周囲の意見に同調してばかりの子どもにはなりません。「自分」という存在をしっかりと確立し、堂々とした人間へと育っていってくれるはずです。

 

大人が孤独を怖がって予定調和の世の中に染まった子育てをしていたら、子どもたちは追い詰められてしまうものです。

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

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