(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスのパンデミックからおよそ2年が経とうとする現在。国内では新規感染者数に落ち着きがみられるものの、世界では「オミクロン株」が流行するなど、依然予断を許さない状況が続いています。こうしたなか、医学博士でありながら防災・危機管理アドバイザーとして活動する古本尚樹氏が、まだ終わらないウィズ・コロナ時代に、徹底したい「危機管理」の基本を紹介します。

危機管理には「公的な機関」から周辺情報を収集

ストレスのかかる環境が当分続くと見込まれるこの状況では、体調への配慮やストレス発散法の確立など、「自らの健康は自ら守る」という姿勢が重要だ。では、常に正確な情報を享受し、「自らの健康を守る」ためにはどうすればよいか。

 

それは、これまでの動き、特に国際的な流れを読むことである。自治体等の周辺情報に加えて海外での動向にも注視することで、ある程度対策を取ることが可能となるだろう。

 

従来から進めている「三密」の回避や、手洗い、またワクチンの接種等に加え、近隣特にアジアやロシア等の感染の兆候をより敏感にキャッチすることが重要だ。

 

こうした地域で感染拡大や変異株流行等の兆候がある場合、日本にも「波」が来る可能性があることを警戒しておく必要がある。

 

変異株の特徴で感染力が強い場合が多く、ひとたび海外からこうした変異株が入ってきた場合は、日本での拡大が予想される。

 

しかし、個人のレベルで慌てる必要はない。重要なのは、従来通りの衛生対策を粛々と継続することである。

 

また、万が一の感染時に備えて、最寄りの医療機関について自治体の情報をもとに確認しておくことだ。

危機管理で重要な「ワクチン」に関する正しい認識

危機管理面でいえば、このコロナ対策に付随して関連した予防策の中心、すなわちワクチンについての知識もよく把握しておくことが重要だ。すなわち正確な情報についての知識のもと、接種することが重要だ。

 

コロナウイルス対策の重要なカギを握っているワクチン。国内では今後3回目のブースター接種に向けた動きが加速している。ただし、ワクチンは基本的に罹患を防ぐものではない。重症化を防ぐものだ。

 

また、ワクチン接種による副作用の報告も出ている。具体的には、接種部の反応(痛み、赤み、腫れ、など)、全身の反応(疲労、頭痛、筋肉痛、など)である。特に、頭痛や発熱、だるさ、痛み、悪寒といった症状が多い。

 

3回目のワクチン接種では、重症化は少ないという米国での結果がある。しかし、厚生労働省によれば、頻度は稀だが副作用として、胸の痛みや息切れが出るなどの症状が現れる心筋炎の発生が報告されていることもあり、注意が必要である。

 

多く認められるのは10~20代の男性で、接種後4日程度までの間で起こっているという。そしてワクチン接種後、まれに「アナフィラキシー」という急激で比較的重いアレルギー反応がおこることもある。

 

日本では、発症したとしても投薬や経過観察で全員回復したと報告されている。アナフィラキシーの多くは接種後15~30分以内に生じる。接種後は会場で最低15分は安静に待機し体の反応に注意すべきである。

 

こうした知識は、政府(厚生労働省等)や自治体のホームページ等からも入手ができるので、積極的に情報、ただし公的な機関からの正確な情報を、享受することが大切である。

 

 

古本 尚樹

防災・危機管理アドバイザー(博士[医学])

本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。