写真:PIXTA

世界でオミクロン株の感染が広がっていますが、重症化リスクが低いのではないか、という観測から、株式市場にはそれほど影響が出ていないようです。それはオミクロン株が初確認されたフィリピンでも同様。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏によるレポートです。

買い物客回復で恩恵が期待される企業

 

ショッピングモールの顧客の戻りが、コロナ前の80%程度まで回復してきたという話しをしましたが、人の動きが回復してくると恩恵を受ける銘柄として、「Fruitas Holdings, Inc. (FRUIT)」をみてみます。

 

同社はフルーツジュースとシェイクの主力ブランド「Fruitas」ブランドをはじめ複数ブランドのジューススタンドを運営しています。2015年に上場しました。

 

11月の売上高は、ロックダウン以来、単月としては、最高になりました。前年同月比59%増です。平均日販は、対前年88%増、コロナ前の2019年同月比でも26%増です。これは、M&Aも駆使して100店舗以上の新規店舗開店を行った結果です。

 

年初来では、「FRUIT社」は、昨年の32.2百万ペソの半分にあたる16.4百万ペソの損失を計上しています。第3四半期の時点で、売上高は前年同期比22.8%増の回復を見せています。

 

コロナによって、多くの課題や不確実性が引き起こされましたが、人通りの多い場所に収益性の高い店舗を開店することで、ターンアラウンドを図っています。12月は、人々の行動制限がさらに緩和されることが予想され、クリスマスシーズンの季節的な盛り上がりにより、11月の好調な業績を上回る可能性が高いと思われます。

 

しかしまだ黒字化していないため、株価はほとんど上昇していません。6月以降、1.15~1.49ペソの範囲で推移しています。主要な移動平均線は依然として弱気で、1.30レベルを突破しないと反転しないと考えられます。第4四半期にフルーツが利益を上げられるかどうかに大きく左右されるでしょう。

フィリピン最大財閥が自社株買いに100億ペソ

 

また注目したいのが、フィリピン最強財閥「アヤラコーポレーション(AC)」です。既存の100億ペソの自社株買いプログラムに加えて、さらに100億ペソを自社株買いに追加投入します。「AC」は自社の株価が、コロナの影響により、アンダーバリューされていることを市場にアピールするとともに、業績回復への自信を示しています。また、同時に一株あたり3.46ペソの配当金も発表しています。

 

「AC」の今年9月までの純利益は194億ペソで、対前年70%という大幅増益を記録し、業績回復を示しています。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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