(写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、ニッセイ基礎研究所が公開した金融政策に関するレポートを転載したものです。

あなたにオススメのセミナー

    需給・価格判断:内外需給は改善したが、仕入価格は大幅上昇

    需給判断:内外需給は逼迫化したが、先行きは総じて緩和

     

    大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断DI(需要超過-供給超過)は前回比4ポイント上昇、海外需給も前回から1ポイント上昇とともに需給が逼迫化した。半導体等の供給制約が需給逼迫化に働いたとみられる。また、非製造業の国内製商品・サービス需給判断DIも4ポイント上昇した。

     

    緊急事態宣言解除によって需要が回復に向かったためとみられる。先行きの需給については、製造業の内外需給が各1ポイントの低下、非製造業の国内需給が1ポイントの上昇となっており、総じて需給の明確な改善は見込まれていない。変異株の流行などコロナ感染再拡大への懸念が根強いうえ、原材料価格高騰に対する懸念が燻っていることが背景とみられる。

     

    価格判断:仕入価格の大幅上昇によりマージンが圧迫

     

    大企業製造業の販売価格判断D(上昇-下落)は前回から6ポイント上昇、非製造業は4ポイント上昇とともに上昇した。

     

    一方、仕入価格判断DIが製造業で12ポイント上昇、非製造業でも8ポイント上昇とともに大きく上昇している。世界的な供給制約と円安・原油など資源・エネルギー価格の高騰が仕入価格上昇に繋がった。製造業、非製造業ともに仕入価格判断DIの上昇幅が販売価格判断DIの上昇幅を大きく上回った結果、差し引きであるマージンが悪化している。

     

    なお、大企業製造業の交易条件(販売価格判断DI-仕入価格判断DI、低いほどマージンを圧迫)は▲33ポイントと、2011年6月調査(▲36ポイント)以来の水準に落ち込んでいる。

     

    仕入価格判断DIの3か月後の先行きは大企業製造業で6ポイント低下する一方、非製造業では1ポイントの上昇が見込まれている。一方で、販売価格判断DIの3ヵ月後の先行きは、大企業製造業が1ポイントの上昇、非製造業が1ポイントの低下となっているため、両者の差し引きであるマージンは製造業で改善、非製造業でやや悪化するとの見通しが示されている。ただし、仕入価格判断DIの高止まりが見込まれており、マージンの大幅な改善は想定されていない。

     

    [図表4]製商品需給判断DI(大企業・製造業)、製商品需給判断DI(中小企業・製造業) [図表5]仕入・販売価格DI(大企業・製造業)、仕入・販売価格DI(中小企業・製造業)
    [図表4]製商品需給判断DI(大企業・製造業)、製商品需給判断DI(中小企業・製造業)
    [図表5]仕入・販売価格DI(大企業・製造業)、仕入・販売価格DI(中小企業・製造業)

     

    次ページ売上・利益計画: 2021年度利益は大幅な上方修正に

    本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
    本記事は、ニッセイ基礎研究所が2021年12月13日に公開したレポートを転載したものです。

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録
    会員向けセミナーの一覧