(※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢社会となった日本で不動産経営を行うには、高齢の入居者にもうまく向き合っていく必要があります。万一起こりうる孤独死等に備え、事前対策を立てるには、どんな方法があるのでしょうか。不動産のプロが解説します。

「収入が安定するから…」安易なサブリース契約に注意

サブリース契約とは、不動産管理会社がアパートのオーナーからアパートをまるごと借り上げし、それを不動産管理会社から入居者に転貸(又貸し)をするアパート管理形態です。

 

オーナーからすれば、毎月空室があるかどうかにかかわらず決まった金額のサブリース料が入るため、収入が安定することから選ばれることが多いです。

 

ただ、次のようなデメリットもあるため覚えておきましょう。

 

●保証コストがかかるため、満室のときは、一般的な管理に比べて収益性が下がる

●一定期間ごとにサブリース料が見直され、収入が下がる可能性がある

●オーナー側から解約ができないケースが多い

 

一点目については、サブリース会社が空室分の賃料保証をするコストをオーナーが負担する仕組みになっているため、物件の収益は下がることを意識しなければいけません。

 

二点目、三点目についても注意が必要です。当社にも、「30年一括借り上げ」のような言葉で営業されてアパートを建てたものの、実際にはサブリース料を繰り返し下げられる一方で、金融機関への返済もままならない、という状況でご相談に来られる方がいらっしゃいます。

 

幸い当社の査定で、空室も埋まりそうな物件で、収益も上げられそう、という結論が出ても、いざサブリースを解約して管理を移管しようとしたときにサブリース会社から「オーナー側からの解約は契約上認められていません」などと通達され、泣く泣くサブリースを続けなければいけない、というケースも出てきています。

 

サブリースを前提でアパートを建てる場合も、既存の物件をサブリース会社に任せる場合も、前述のようなデメリットが契約内容でカバーできているのかを確認しましょう。いずれにせよ、「収入が安定するから」という理由で安易にサブリースにしないことが大切です。

 

 

 

 

大谷 義武
武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

 

太田 大作
武蔵コーポレーション株式会社 専務取締役

 

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※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

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大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

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