中国REIT、保険業からの期待…「保険資金によるREIT投資に関する調査」からみた潜在的な市場規模と制度整備に向けた課題

中国REIT、保険業からの期待…「保険資金によるREIT投資に関する調査」からみた潜在的な市場規模と制度整備に向けた課題
(写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、ニッセイ基礎研究所が公開した REIT(リート)に関するレポートを転載したものです。

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    保険業へのアンケート結果からみたREIT投資の傾向~収益性・安全性を重視

    保険業による今後投資したいREIT商品の種類別の投資傾向をみると、デットとエクイティを組合せた「ハイブリッド型」が59.5%で最も割合が高く、次いで、「デット型」が55.4%、「エクイティ型」が37.8%と続く。

     

    保険業界では、ハイリターンを期待するよりも、安定的な収益を追求する姿勢が反映された結果であろう。現在中国のインフラ公募REITはエクイティ型のみとなっているが、保険業が参入しやすくするためには、デット型主体の商品開発も、今後の大きなテーマになるだろう[図表9]。

     

    [図表9]保険業によるREIT商品の種類別の投資傾向(n=74・複数回答)
    [図表9]保険業によるREIT商品の種類別の投資傾向(n=74・複数回答)

     

    保険業によるREIT形態別の投資意向をみると、「プライマリーマーケット(発行市場)で公募型REITを申込み」が9割超で最も割合が高い。公募REITの初期段階から投資したいという強い意向が見受けられる。

     

    次いで、「セカダリーマーケット(流通市場)で公募型REITを購入」が73.0%で続く。その他「REITを組み合わせた商品」が47.3%、「類REIT商品」が36.5%、「REIT関連FOF、ETF商品」が33.8%である[図表10]。

     

    図表10 保険業によるREIT形態別の投資意向(n=74・複数回答)
    図表10 保険業によるREIT形態別の投資意向(n=74・複数回答)

     

    最後に保険業による今後のREIT投資の重視点をみると、「分配率の水準」と「資産の安全性」の割合が最も高く、それぞれ約9割を占める。次いで、「流動性」が64.9%、「資産の管理・運用」が56.8%で続く。「分配の頻度」や「パートナー」を懸念する事業者もそれぞれ39.2%、37.8%を占める。

     

    [図表11]保険業によるREIT投資の重視点(n=74・複数回答)
    [図表11]保険業によるREIT投資の重視点(n=74・複数回答)

     

    中国の保険業界は、確定分配率型金融商品を資産運用のメインにしてきたが、2020年から新型コロナウイルス感染症の影響により、これらの金融商品の確定分配率は低下傾向が続いている。インフラ公募REITの上場は、保険業界に新たな投資機会を提供し、今後、保険業による中国REIT投資はさらに拡大するだろう。

     

     

    胡 笳

    ニッセイ基礎研究所

     

     

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    本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
    本記事は、ニッセイ基礎研究所が2021年12月9日に公開したレポートを転載したものです。

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