(※写真はイメージです/PIXTA)

会社経営には、会計のサポート役として公認会計士や税理士が不可欠ですが、社長自身に会計の知識がないと、税務まわりのアドバイスも表面的になりがちで、会社の今後の展望やそのための方策について、深く意識を共有することができません。その結果、どうしても経営に「甘さ」が残り、競争で後れを取ることになります。

「会計業務は税理士に丸投げ」では甘すぎる

おそらく「うちはちゃんと税理士さんに任せているから大丈夫」と思われた方もいるかもしれませんが、それは甘いといわざるを得ません。

 

会社が自ら会計業務を行うことを「自計化」といいます。中小企業にとって最小の投資で最大の成果を得るものが会計処理の「自計化」です。いままで、現金出納の記録や預金通帳、請求書の束を会計事務所に預けたあと、首を長くして待つしかなかった年次決算や月次決算の結果をいますぐに知ることができます。

 

顧問税理士に記帳代行を依頼している場合、自社の経営成績・財政状態をリアルタイムで知ることができないことが問題であり、また、社長の会計的思考が乏しいものになってしまいます。

 

私自身、税理士として多くの社長と接していて感じるのですが、会計的な考え方ができる社長のほうが、より深く支援できます。

 

例えばコスト削減について話をするにしても、それが変動費の話なのか、固定費の話なのかによってポイントが変わってきます。基本を理解されていればいいのですが、そもそも損益計算書や貸借対照表の見方が分からなければ、税理士としても会社のどの数値に問題があり、なぜ改善すべきかを伝えるのが難しくなってしまいます。

 

さらには、税理士だからといって、会社を強くする会計にまで踏み込んだサポートができるとは限らないということです。

 

税理士の強みというのは、それぞれの税理士がどの領域に力を入れて、経験を積んできたかによって変わります。

 

会計に強い人、法人税に強い人、所得税に強い人、相続税に強い人、税務署との調整が得意な人、といったように、いろいろな得意分野があり、逆に苦手分野もあるので、いちがいに「税理士にまかせておけば大丈夫」ということにはならないのです。「最低限の税務申告書だけ作ればいい」と考える税理士であれば、会社を強くする会計まで踏み込んだ助言を期待することはできません。

 

会社を成長させたいのであれば、会計に強い税理士のサポートを受けることが大切です。そうした税理士を選び、より深い支援を受けるためにも、まずは社長自身が会計の基本を理解していただければと思います。

 

 

小形 剛央
税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表
税理士・公認会計士

 

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