(※画像はイメージです/PIXTA)

子どものころは自然と友達ができていた人が多いでしょう。社会人になると、なかなか新しい友達はできにくくなります。それはなぜでしょうか、精神科医が解説します。※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

会社と自宅以外に自分の居場所を作る

■「カウンター席のある飲み屋」の効果

 

テレワークになってからほとんど会社の人とはプライベートなコミュニケーションをとらなくなってしまった人や、それ以前から会社と自宅の往復ばかりになっている人は新しい世界を求めて行動を起こしてみましょう。

 

コロナ自粛で、確かにボランティア活動は減っているし、スポーツクラブも疎遠になりましたが、それほど感染が広まっていない地域であれば、必要以上に恐れることはなく、心や体の健康を守るという姿勢も大切です。

 

またSNSなどを通せば、疎遠になっている昔の友達や同級生に連絡がしやすくなっているし、同じ趣味の人間の輪に入りやすくなっています。

 

もちろん特別「人と出会わなきゃ!」と思う必要はありません。何か行動を起こしているうちに、新しい人間関係が生まれてきたりするものです。

 

私がコロナ禍でいちばん危険だと思っていることは、自粛は感染予防のためのものなのに、本来の会食や人との接触がいけないことのような雰囲気が生じてしまったことです。

 

 

本連載書でも問題にしてきたように、気の合わない人と無理につきあう必要はありませんが、気の合う人を見つけて、遠慮のいらないコミュニケーションをとることはメンタルヘルスにとてもいいことです。

 

だから、コロナの感染が収束に向かい、ワクチン接種によって、それほど怖い病気でなくなったら、その後、どんなことをしてみようと想像するのも大切なことです。

 

私のおすすめは、カウンター席のある飲み屋です。

 

こうしたお店ではマスターや他のお客さんとちらほら会話を交わすこともたまにあるので、普段知り合うきっかけのあまりない人と意気投合するというラッキーに遭遇することがあります。

 

新しいお店に行くと、なにか催し物のお知らせを発見したりすることもあります。私はワインが好きなので、ワイン会のお知らせなどを目にするとかなり興味を惹かれます。ワイン会にはもともとワイン好きが集まるのですから、話が弾む確率も高まるでしょう。

 

こんなふうにして、会社と自宅、それ以外にもう1つか2つ、自分の居場所を増やしてみる。

 

もし会社と自宅にしかあなたの居場所がないとしたら、会社で人間関係がうまくいかなくなったとき、他の逃げ場がないということになってしまいます。会社でランチを食べる相手がいなくても、別の場所でランチを食べる相手がいれば、少しは気持ちがやすらぐでしょう。

 

人とかかわることを「面倒だな」と避けてばかりいないこと。「うまくいけば仲よくなれるかも」くらいの気分で、気楽にかかわってみるのがポイントです。

 

気が合う人がいなければ、もっと気の合う人を求めて次の場所に移ればいい。「好かれよう」「嫌われたくない」と過剰に思う必要もない。

 

フットワークを軽くして人とかかわっていれば、そのうち自分が「面白いな」と思える人にも出会えて、人生で大切な時間を過ごせるはずです。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

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