(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、現在日本では、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。滞納が続くと、強制執行される前に家を売却し、売った金額でローンを返済していく「任意売却」手段をとるのが一般的なのですが…。クラッチ不動産株式会社代表取締役の井上悠一氏が、「任意売却後に知っておきたいこと」を解説していきます。

「自己破産だけはしたくない…」借金を減額する方法

ただ、例えば、1000万円を毎月2万円返済するとなれば、返済期間が42年程度かかってしまいます。50歳で任意売却をすれば、92歳まで住宅ローンの残金を返済していく計算になります。

 

その大半が、年金から返済していくことになりますが、貯蓄がなければ、なけなしの年金から月2万円を返済することは家計に大きな負担となり、いずれ老後破綻を招きかねません。

 

また、住んでもいない過去の自宅のために支払い続ける精神的ダメージもあります。加えて、自宅の代わりに借りている物件の賃料もプラスして支払うことは、かなり苦しいです。老後リスクを考えると、自己破産を利用して、住宅ローンの残金を帳消しにするほうが、生活再建の観点からすれば有用だと考えられます。

 

とはいえ、家を失ってしまったのに、さらに自己破産まではどうしてもしたくない、と抵抗感を強く示される方もいらっしゃると思います。

 

そうであれば、個人再生や任意整理などで、借金を減額してもらう方法もありますし、これらの方法を利用すれば5年以内には借金生活から解放されるのです。

 

任意売却後の住宅ローン残金についても、選択肢は豊富です。債権者との交渉で毎月1〜3万円を返済し続けていくのか、自己破産でゼロにするのか、もしくは個人再生や任意整理を使って借金を減額してもらうのか、いずれを選択するのかは、本人の自由です。生活再建に向け、よりよい手段を選択します。

 

 

井上悠一

クラッチ不動産株式会社代表取締役

 

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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