資産形成の第一歩は家計を知ることから始まります。今回、焦点をあてたのは「教育費」。「できるだけ子どもには良い教育を受けさせてあげたい」と思うのが親心。総務省『家計調査』で、子どもにかける教育費をみていきます。
都道府県「子どもの教育費」ランキング…1位「東京」と47位「青森」に5倍の格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

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1世帯当たりの教育費は年間12万円強

総務省『家計調査 家計収支編』(2020年)によると、2020年の1世帯当たりの教育費は年間12万3,514円。この20年あまりの推移をみていくと、2000年16万7,089円から25%ほど「教育の支出が減った」ことになります。

 

ただ世帯当たりの18歳未満の人数は2000年0.74人から0.56人へと減っているので、当然といえば当然。家計調査における教育費を18歳未満の教育費と仮定し、1人当たりの教育費として算出すると、2000年は22万5,796円に対し、2020年は22万0,561円。

 

年によって上下はあるものの、リーマンショックで平均給与が減少した2009~2010年あたりでも大きな金額の落ち込みもありません。多少のことがあれど、子どもの教育には一定のお金をかけるという、親の想いが表れているといえるでしょう。

 

【1人あたりの教育費の推移】

2000年 22万5,796円

2001年 21万8,635円

2002年 22万0,407円

2003年 22万9,690円

2004年 23万3,501円

2005年 23万3,978円

2006年 23万3,577円

2007年 23万9,075円

2008年 23万8,683円

2009年 23万8,343円

2010年 22万3,527円

2011年 22万5,176円

2012年 23万2,250円

2013年 23万4,717円

2014年 22万2,478円

2015年 23万1,516円

2016年 24万2,404円

2017年 24万1,456円

2018年 25万2,591円

2019年 23万7,822円

2020年 220万,561円

 

出所:総務省『家計調査 家計収支編』より作成

※18歳未満の教育費と仮定し算出

都道府県別に子ども1人にかける教育費をみていくと

都道府県別に「教育費」をみていくと、トップは「埼玉県」で年間26万5,367円。「東京都」「千葉県」「石川県」「奈良県」と続きます。一方で最も低いのが「青森県」で5万5,125円。「長崎県」「沖縄県」「長野県」「群馬県」と続きます。

 

ただ先ほどと同じように、世帯における18歳未満の人数は、最も多い「石川県」で0.80人、最も少ない「長崎県」で0.36人と地域差があります。これらを補正して、18歳未満の子ども、1人あたりの教育費としてみていきましょう。