「ドライブする人、増えてないのに…」高騰するガソリン価格、日本が振り回されるウラ事情 ※画像はイメージです/PIXTA

ガソリン価格の高騰が続いています。日本国内でのガソリン需要が急増しているとは思えませんが、なぜこのような現象が起こるのでしょうか? それは、ガソリン価格が決定するまでのプロセスを知ることで、納得することができます。ガソリンの取引がどのように行われ、経済にどのような影響を及ぼしているのか、経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

為替レートだって「美人投票」…投機の影響は甚大

為替レート、具体的にはドルの値段は、輸出企業のドル売りと輸入企業のドル買いの注文が一致するところで決まる、と考える人が多いかもしれませんが、実際には、米国債や米国株を買うためにドルを買う人も多いですし、なにより投機家たちがドルを活発に売り買いしているのです。

 

米国の景気がいいと米国株が好調となって米国株を買う人が増える、米国の金利が上昇するので米国債を買う人が増える…というわけで、米国の景気好調はドル高要因だといわれています。したがって、投機家たちは米国の景気を予想して投機をしているわけです。

 

さら重要なのは、米国の金融政策です。米国が金融緩和をするとドルが売られ、米国が金融引き締めをするとドルが買われるのです。なぜか、という理屈が重要なのではなく、「みんなが米国の金融政策を予想して売り買いしているので、金融引き締めの噂が出ただけでドル買い注文が増えてドルが実際に高くなるのだ」ということが重要なわけですね。為替は株と並んで「美人投票」の世界ですから。

 

ちなみに美人投票というのは経済学者ケインズの言葉で、「皆が値上がりすると思うと、皆が買い注文を出すので実際に値上がりする。したがって、儲けようと思ったらなにが真実かを追求するより、人々がなにを考えているのかを考えなさい」といった意味になります。長期投資には使えませんが、短期投資をする際には極めて重要な考え方です。

 

なお、日本の景気や金融政策より米国の景気や金融政策でドルが動くのは、投機家たちが日本より米国に注目しているからです。日本の通貨の価値を決めるのだから、日本に注目すべきだ、などと理屈をいっていても、美人投票の世界では儲けることができないのです。だから為替レートはニューヨークで動くのですね。

国内のガソリン価格も、需給の関係性で決まっている!

経済学の大原則は「価格は需要と供給が一致するところに決まる」というものです。それなのに、日本国内のガソリン価格が「国内の需給の関係で決まっているわけではない」のだとしたら、一体どんな理由で決まっているのでしょうか。

 

実は、日本国内のガソリン価格も、やはり需要と供給の一致するところに決まっているのです。売り手による供給が「価格を先に決めて、需要がある分だけ売る」というものだから、価格が「原油輸入コストと運搬コスト等々の合計」と一致するというわけですね。

 

野菜等であれば、収穫した分を売り切らないと腐ってしまうので、需要が少なければ農家は値下げをしても売ろうとしますが、ガソリンは腐らないので、ガソリンスタンドは需要が少なくても値下げをせず、あらかじめ決めた値段で買いたいという客にのみ販売している、というわけですね。

 

今回は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等々の見解ではありません。また、わかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

 

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塚崎 公義
経済評論家

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』『大学の常識は、世間の非常識』(以上、祥伝社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

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