(※写真はイメージです/PIXTA)

年末でラストスパートに差し掛かる、相続税の税務調査。ここでは相続税申告の漏れやすい“2つの項目”について、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が解説していきます。

「生前贈与」に関しても注意が必要

2つ目は生前贈与です。相続開始まで3年以内の暦年贈与の財産や、相続時精算課税でもらった財産については、相続財産に持ち戻しをします。しかし、手続きはすべて亡くなった父がやっていたために相続人は何も知らず、申告が漏れて、税務調査がやってきてから驚く…といったケースも少なくありません。

 

また、相続人の間で揉めていて、生前贈与に関して相手方の情報がわからないということもあります。しかし揉めていたとしても申告上はあわせて相続財産に加算しなければなりません。

 

そんな場合に財産を把握する方法は、2つあります。

 

1つ目は相続税法49条の開示請求です。戸籍謄本など一式をつけて税務署に照会を依頼すると、相続人全員の3年内加算の金額と、相続時精算課税の金額がわかります。ただ、ここでは金額しかわかりません。

 

まずは49条の開示請求をして、加算すべきものがあるかどうか確認し、もしあって、詳細を詰めなければいけなくなったら、閲覧申請をする必要があります。

 

税務署に事前に連絡をしておいて、申告書や決算書などの閲覧申請を出すと、それらを出してくれます。以前は写真を撮ることやコピーができなかったので、すべて手書きで一生懸命書き写していたのですが、最近はスマートフォンでの撮影が可能になりました。現場で写真を撮り、控えておくことができますので、ぜひご活用いただければと思います。委任状をもらって税理士が行くこともできます。

 

閲覧申請の難点は、時間がかかる点です。特に1月、2月は確定申告の時期で税務署も混んでいることがあるので、事前に連絡をし、スムーズにいくよう準備することをお勧めします。

 

年末で相続税の税務調査もラストスパートに差し掛かりますが、今後対策される方は、申告の漏れやすいものにぜひご注意ください。

 

 

■動画でわかる「相続税申告で漏れやすい財産2選【税務調査】」

 

 

 

辻・本郷税理士法人 シニアパートナー 税理士

山口 拓也

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