(※画像はイメージです/PIXTA)

「孤独と上手につきあえる人ほど、依存できる人や物が多い」……精神科医である和田秀樹氏は、書籍『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)のなかで、「人への依存」という言葉の本当の意味を説いています。

人間はもともと依存しないと生きていけない

■孤独と上手につきあえる人は「依存先」が多い人

 

「依存」というと、「自立」の反対語と捉えがちで、ネガティブなイメージがあるかもしれません。「人に依存する」といえばなおさら、どちらかがどちらかにベッタリ頼り切って、甘えるような関係がイメージされるでしょう。

 

でもここでイメージしていただきたいのは、「親友との関係」のようなもの。互いに互いを頼り合える関係のことを指しています。

 

人間はもともと、人にも物にも、さまざまな「もの」に依存しないと生きていけない生きものです。

 

普段、意識していなくても、人間はさまざまな人、さまざまな物に依存して暮らしている。私たちはこの点を肝に銘じておいたほうがいいでしょう。

 

この依存先がたくさんあって、ひとつひとつへの依存度が浅い人ほど、「自立」できている人であり、孤独をうまくコントロールできる人なのです。

 

なかでももっとも安全で、もっとも孤独に対処する効果があり、もっとも意義深い時間を与えてくれるもの―依存症になるなどの副作用がほとんどなく、私たちの内面に自信と落ち着きを与えてくれ、時間を共有することが人生の喜びになり得る―それこそが「人への依存」です。

 

依存症というのは、まさにその依存先が限られてしまったためにかかる病気です。たくさんあるはずの依存先が限られ、うまく機能しなくなり、人ではなく物・行為に依存してしまうと、依存症になってしまう。

 

孤独と上手につきあえる人ほど、依存できる人や物が多いのです。

 

■キーワードは「お互いに」

 

最近、暴言を吐いて相手を苦しめることが離婚原因になるという「モラルハラスメント離婚」が増えているそうですが、片方が言いたい放題で、もう片方が萎縮しているというのは健全な関係ではありません。そのままでは、どうしたって壊れてしまうでしょう。

 

大事なのは、両方ともが遠慮せずに本音を言え、頼り合える関係です。

 

そのための第一歩は、「それぞれがお互いに依存し合っているんだ」と自覚することでしょう。「自分だけ」「相手だけ」ではなく、「お互いに」頼り合っているというのを知ること。

 

大事なキーワードは「お互いに」。

 

そう自覚してこそ、健全な関係性が生まれてきます。

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孤独と上手につきあう9つの習慣

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