オミクロン・ショックで波乱含みも、成長期待が大きい「フィリピン企業」

12月6日週「フィリピン株式」レポート

オミクロン・ショックで波乱含みも、成長期待が大きい「フィリピン企業」
写真:PIXTA

先週はオミクロン変異株の拡散の話題で持ちきりでした。ただ、その感染力、既存ワクチンの効果、重症化リスクなどについて、わからない部分も多く、株式市場の動きも定まっていません。そのような状況を踏まえて、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がフィリピン株式市場で注目すべきポイント、銘柄を解説していきます。

フィリピン食品大手、マレーシア企業買収へ

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11月26日、フィリピン食品大手「ユニバーサルロビーナ(URC)」はマレーシアの「Munchy Food Industries社」を229億ペソ(4億5,000万ドル)で100%買収することを発表しました。「Munchy Food」は、マレーシアの代表的なビスケットブランドのひとつで、2017年時点で国内22%の市場シェアを持っています。

 

「URC」の株価はここ数ヵ月低迷していますが、これは小麦の価格が前年比74%増になるなど原価の上昇とオーストラリア・ニュージーランドでの事業売却により、売上が15%程度下がったことが要因でした。今般「Munchy」を買収したことによる売上への貢献度は6~7%とオセアニア事業売却の半分近ですが、純利益には12%程度貢献する見込みです。なお「URC」は、オセアニア事業の売却により2億5,000万ドルの売却益を得ています。12月1日終値133ペソに対してAB証券の目標価格は164.07ペソです。

不動産物流でドミナント・プレーヤーを目指す財閥系

「アヤラランド・ロジスティクス・ホールディングス社(ALLHC)」は、不動産物流分野での「ドミナント・プレーヤー」を目指して邁進中です。物流倉庫ではdry storageからcold storageまで、そしてデータセンターも手掛けて行きます。コロナの影響で、世界的にECの勢いはさらに弾みがついています。それに伴いAWSなどのデータセンター需要がさらに拡大しています。フィリピンでも同様の動きがありますので、フィリピン最強財閥アヤラグループの「ALLHC」は、この成長分野でドミナント・プレーヤーになって行くことが予想されます。

10大財閥の一角、インフラ事業に巨額投資を決定

10大財閥の一角「アボイティス・エクイティーベンチャーズ(AEV)」傘下の「Aboitiz InfraCapital, Inc.」は、通信、水道、交通などのインフラ事業に2022年度200億ペソ投資を実行する予定です。コロナの影響で、建設資材の高騰、調達難、人員手配の難しさなど悪影響を受けているものの、高度経済成長段階に入るフィリピンでは、こういった社会公共インフラ整備が必須であり、莫大な需要が見込まれる成長分野です。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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