(※写真はイメージです/PIXTA)

50代こそ新たな人生戦略を立てる好機と捉えるべきです。どのような人生戦略を立て、ライフデザインを描けばいいのでしょうか。40年をかけて磨き上げたフレームワーク「人生鳥瞰図」の活用方法をお伝えします。※本連載は、久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

自分の「価値観」を発見しよう

ステップ1「価値観」を抽出する

 

実際に人生鳥瞰図を作成してみましょう。ここでは、「人生テーマの発掘」のパートから始めます。

 

「人生テーマの発掘」は、次の2つのプロセスで構成されます。

 

○ 自分の「価値観」を明らかにする。
○「自分像」を確認し、「私に合った仕事」を明らかにする。
さらに、自分の「価値観」は、次の3つのプロセスで構成されます。
○ 自分の「生い立ち」「出会い」「出来事」の中で大きな影響を受けたことがらを書いてみる。
○「経済的豊かさ」「精神的豊かさ」「時間的豊かさ」「肉体的豊かさ」のうち、大切なものの優先順位をつける。
○ 自分の価値観を言葉で書いてみる、という展開です(図)。

 

最初に、自分の「価値観」を明らかにしていきます。

 

人生テーマとは、「自分はどんな生き方をするか」という方向性を意味します。40〜50代の場合、「生涯にわたって自分が探究する目標」につながっていくものです。

 

その人生テーマの源泉となるのが、その人の「価値観」です。「あなたは何を大切にして生きていこうと思うか」という問いかけに対する答えです。

 

「価値観」は「生い立ち」「出会い」「出来事」の3つの要素によって形づくられると考えます。

 

それぞれについて、次のような質問に自問自答して、「価値観発見シート」に記入します。

 

【図】価値観発見シート

 

「生い立ち」「出会い」「出来事」を振り返る

① 生い立ち

 

質問…あなたはどんな家庭に生まれ、両親にどのように育てられましたか。


   
家庭環境や暮らしぶりで印象に残っていること、影響を受けたことは何ですか。

 

家族、家庭環境、地域環境、時代背景など、子どものころの生い立ちは、その人の価値観の形成の土台になります。

 

親の職業、父母との関係、家庭の経済状況、兄弟姉妹の人数と相互関係、自宅に訪ねてくる両親の友人や関係者たちの人間模様、近隣の地域住民との関係、子どものころの社会の動き……などは、あとになってみると、自分の価値観の形成に大きな影響を与えていることに気づきます。

 

② 出会い

 

質問…あなたが最も大きな影響を受けた出会いは何でしたか。

 

その出会いから何を得ましたか。

 

人生という旅路には、人、本、映画、音楽など、さまざまな出会いがあります。

 

人であれば、尊敬する先生、大切な友人、信頼する上司……などから影響を受けたことも多いでしょう。衝撃を受けた本、迷ったときに救ってくれた先人の言葉などとの出合いにも私たちは大きな影響を受けます。

 

③ 出来事

 

質問…あなたが最も影響を受けた出来事は何ですか。

 

その出来事から何を得ましたか。

 

自分が影響を受けた出来事、事件などを思い出してみましょう。たとえば、学生時代、クラブ活動に青春のエネルギーを投入したこと、就職した企業・組織での困難をきわめた仕事なども価値観に影響を与えます。

 

あるいは、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの非常時でボランティア活動に従事したことのある人は、その経験から多くのことを得たでしょう。

 

時間に余裕のある人は、ここにあげた質問に対する答えを素材にして「自分史」を書いてみるのもいいでしょう。生い立ち、出会い、出来事を物語として文章化することにより、価値観をより深く理解できるようになります。

 

次ページ行動すれば、自分の意見を持てる
50歳からの人生戦略は「図」で考える

50歳からの人生戦略は「図」で考える

久恒 啓一

プレジデント社

「人生鳥瞰図」で仕事も人生もうまくいく! 大人のためのキャリアデザインの教科書。 私は日本人の「アタマの革命(図解)」と「ココロの革命(遅咲きの人物伝)」の二つをライフワークとしている──。 こう語るのは、…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧