仲睦まじい山下真理子氏とご家族。

いつまで続くのか分からず、「出口の見えないトンネルのなかにいるよう」ともいわれる不妊治療。女医の山下真理子氏も、そんな不妊治療で子供を授かったひとりだという。どのような問題に直面し、どう向き合ってきたのか、医師の立場から語ってもらう本連載。最終回は、一人目の不妊治療後に感じた思い、そして二人目不妊治療中の今考えることについて、原稿にしたためてもらった。

「命とは、あなたに残された時間の長さです」

このコラムは、今回で最終回となる。

 

不妊治療で経験したことを少しでもお話しできたらと始めたけれど、本当にたくさんの反響をいただいて、私自身が非常に勉強になった。

 

不妊治療を通じて、「命とは」という、大きなテーマを、読者の皆さんと意見交換できたような気がする。

 

私が尊敬する医師に、日野原先生という方がいる。残念ながら数年前に亡くなられたが、この先生の残された言葉に、こんな言葉がある。

 

「命とは、あなたに残された時間の長さです」

 

この「命の時間」を、どんな時間にするのか。

 

自分が最高に幸せで楽しい時間にするのも良し。子供や家族、人によってはペットなど、誰かが幸せになるために使う時間にするのも良し。何かにチャレンジし続ける時間にするのも良し。

 

一番残念なのは、残された命の時間を、愚痴や不満ばかりで終わらせてしまうこと。

 

私も、ふとしたときに、自分の現状や目の前のことにイライラしたり、いっぱいいっぱいになったりすることもある。

 

けれど、息子の寝顔を見るたびに、この日野原先生の言葉を思い出すようにしている。

 

「命とは、あなたに残された時間の長さです」

 

あなたは残りの人生を、どんな風に過ごすのか。「命」とどう向き合うのか。

不妊治療を通じて「命」について考える

不妊治療は、ある意味、一昔前までは「神の領域」とされていたような、生命の誕生に人為的に関わる行為でもある。

 

だからこそ、不妊治療を通じて、「命」について考えてみて欲しいし、もし、幸運にも大切な子供がもういらっしゃるのであれば、育児に追われる時間の中でも、時々は、「命」のことを考えてみて欲しいなと思う。

 

全12回の連載を読んでいただいて、本当にありがとうございました。

 

またこういった機会を通じてみなさまとお話しできることを、心より楽しみにしています。

 

 

山下 真理子

 

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