(※画像はイメージです/PIXTA)

米PGAツアーで活躍するプロゴルファーには理由があります。選手がどの分野を強化するかによって誰をコーチに招くかが決まります。選手は目的を明確にし、目標設定を行い、そこに向けて具体的な方法やツールを選択することが上達や成長を確実にするといいます。※本連載は吉田洋一郎氏の著書『PGA 超一流たちのティーチング革命』(実務教育出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

PGAツアーの選手たちの実力がアップするワケ

■成功するには成功の仕組みを知る

 

アメリカではコーチ選びがシステマティックに行われていて、これがPGAツアーの選手たちの実力をどんどん上げることに直結しています。

 

日本人選手が世界で活躍するためには、身長、体力、筋力が必要だと言われることがあります。しかし、欧米の選手が190㎝以上の大男ばかりかというとそんなことはありません。180㎝に満たない、日本人の体型と変わらない選手でも活躍をしています。日本人と同様な体型の選手でも勝てるということは、ゴルフはフィジカルな要素以外の部分が大きいということが言えます。

 

体格がものを言うスポーツなら体格差が勝負の分かれ目になりますが、ゴルフは道具を使うので技術でその差はカバーできます。

 

これは日本でチェーンストア経営研究団体(ペガサスクラブ)を主催した渥美俊一氏の本(参照『21世紀のチェーンストア』実務教育出版)や渥美氏を知る人物から聞いた逸話で知ったことですが、イトーヨーカドーやイオンなどのチェーンストアが日本で成長した背景には、アメリカのシステムの模倣があったそうです。

 

アメリカの小売業が大規模で運営できているのはなぜか、品揃えや店舗内のオペレーションはどうなっているのか、本社機能と各店舗との連携はどうなっているのかなど経営システムを事細かく調べ上げて、その秘訣を日本でも応用すれば、大規模なチェーン展開を果たすことができるという仮説を実施した結果、いまの日本のチェーンストア産業の姿があるというのです。

 

アメリカの成功モデルを日本に合わせて導入して成功した事例ですが、ゴルフでもまず成功の仕組みを知ることがスタートラインです。日本人選手が世界で活躍するには、成功の方程式をゼロから自分でつくろうとせず、すでにあるものを活用すればいいのです。

 

自分の課題を解決できるスキルを持つ人を見つけたら、三顧の礼をしてまでお願いする気概が必要だと思います。日本でも人気の『三国志』の主人公、劉備玄徳も諸葛亮孔明を見つけなければ、蜀漢の王にはなれませんでした。強い武将や豪傑がたくさんいても、それだけでは勝負に勝てません。戦略を練り、戦略に沿って戦術を展開することが世界で戦うゴルフチームにも共通しています。

 

戦略的な視点がないと、目の前の敵と戦うことだけに終始します。軍師的な人を三顧の礼で迎え、戦略を持って戦うことで勝利の確率を上げていくことができます。戦略があってこそ、戦術や軍事力がいきるのです。いつの時代も、戦略なき野蛮な戦いが、最終的に勝利をもたらしたことはありません。

 


吉田 洋一郎
ゴルフスイングコンサルタント

 

 

PGA 超一流たちのティーチング革命

PGA 超一流たちのティーチング革命

吉田 洋一郎

実務教育出版

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