会社員が給与を増やしていく方法のひとつが、出世して昇給を勝ち取ること。なかには、出世の先に「会社役員」になる人もいるでしょう。会社役員の報酬、いくらくらいなのでしょうか。国税庁の調査からみていきます。
まさか新卒の給与以下…役員報酬300万円以下、50代取締役の悲惨【ケーススタディ】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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「執行役員」は「役員」ではない

――職業、会社役員

 

雇われの身である会社員であれば言ってみたいセリフかもしれません。ただ役員を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。

 

株式会社の役員について、会社法第329条1項で以下の通り記されています。

 

役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。

 

つまり役員とは「取締役」「会計参与」「監査役」のこと。執行役員も役員だと思われることが多いですが、会社法上は役員ではなく、会社法施行規則(会社法の細則を定める法務省令)で執行役員も含むとされています。

 

また会社法第423条では「役員等」という場合は、「取締役」「会計参与」「監査役」に加え、「執行役員」「会計監査人」を含むとされ、かなりややこしい決まりです。

 

株式会社の取締役は、業務執行の意思決定を行う人。一般的に代表権を持つのが「代表取締役」です。「社長」と呼ばれていることが多いですが、法律上に定められた役職ではありません。

 

取締役には、代表権のない「取締役会長」、いわゆる役付き取締役の「専務取締役」「常務取締役」、役なしの「平取締役」、非常勤取締役である「社外取締役」などがあります。代表取締役と重なることの多いCEOは取締役と断言できず、「取締役CEO」と肩書がなっていれば取締役だといえます。

 

「会計参与」は、取締役と計算書類の作成、保管、開示を行う人。2006年施行の会社法で新設されました。税理士・税理士法人・公認会計士・監査法人以外の人はなれません。

 

「監査役」は取締役や会計参与の職務に不正がないかチェックする役割を担っています。株主総会で選任される会社法上の役員です。