節税効果、利回りの高さ…「会社も社員もwin-winな年金制度」と「中退共」7つの違い

節税効果、利回りの高さ…「会社も社員もwin-winな年金制度」と「中退共」7つの違い
(※写真はイメージです/PIXTA)

長い歴史があり、多くの中小企業が加入している「中退共」ですが、企業型確定拠出年金と比べると、デメリットや制限となる部分も多数あります。ここでは企業年金コンサルタントの細川知宏氏が、企業型確定拠出年金と比較しながら、中退共のデメリット7つについて解説していきます。

「所得税と社会保険料」にも影響大

また課税方法が他の所得と合算して税率が決められる総合課税であるため、給与所得が高い人ほど税額が高くなります。

 

一方、退職所得として課税される場合は、ほかの所得と切り離された分離課税になります。加入期間が長く、多額の一時金を受給できる従業員の場合は、給与もそれなりに高い金額になっていると思われますので、退職一時金として受け取った場合と比べて、かなり課税額が大きくなり、手取り額が減ってしまうことが考えられます。

 

現在、なんの退職給付金制度も用意していない会社が新規で準備する場合、企業型確定拠出年金がおすすめです。

 

しかし、すでに中退共に長年加入している会社の場合、このような年金資産の移換ができない問題があり、清算時の一時金額が大きくなる加入年数の長い社員がいると、課税上の不利益が生じます。

 

中退共は従業員全員加入が原則であるため、加入年数の長いベテラン社員だけを継続させて、短い若手社員だけを脱退させるということもできません。

 

この場合、中退共は継続しつつ、新たに企業型確定拠出年金の選択制を導入し、役員も拠出でき、社員が加入を選択すれば所得税と社会保険料を削減できる(企業側も)という方法が考えられます。

 

なお、会社が中退共を辞める、あるいは掛金を減額する場合には、従業員の同意が必要です。

 

 

細川 知宏

企業年金コンサルタント

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