(※写真はイメージです/PIXTA)

医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏は書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』のなかで、認知症の原因と対応方法を解説しています。

「認知症」と「加齢によるもの忘れ」の違いは…

認知症とよく似た言葉に「もの忘れ」(記憶障害)があります。本記事では「ものわすれ」を「物忘れ」ではなく「もの忘れ」に統一しました。認知症ともの忘れの2つの言葉は使い分けてください。

 

確かに、認知症になると物事を忘れます。すなわち、認知症患者さんには必ずもの忘れがみられますが、もの忘れがあっても認知症でないことが多いのです。そこで、もの忘れについて少し考えてみたいと思います。

 

認知症を疑う症状の具体例を挙げますと、

 


・物や人の名前が覚えられず、覚えている名前が出てこない
・ お茶友だちなのに、「あの人は誰だろう?」(人物そのものを忘れてしまう)
・ さっき食べたのに、「朝ごはんはまだかな?」(体験全体を忘れてしまう)
・数分前の記憶が残らない
・約束したこと自体を忘れている
・月や季節を間違えることがある
・同じことを何度も尋ねる
・話題が乏しく、限られている
・今までできていたことに、ミスや能率低下が目立つようになる
・以前はあった興味や関心が低下する
・置き忘れ、紛失が頻繁にある
・生活が乱れる。だらしなくなる

 

などです。体験したことの全体を忘れていて、体験自体の記憶(エピソード記憶)が失われているのです。そして、日常生活に支障が出ます。

 

加齢によるもの忘れは、


・物覚えが悪くなったように感じる
・朝食や夕食に何を食べたのか思い出せない
・知っている人だけど名前が出てこない
・約束をうっかり忘れてしまった(手帳に書いていなかった、手帳を見なかった)
・物の置き場所を思い出せないことがある
・曜日や日付を間違えることがある
・体験の一部を思い出せない(東京に行ったのは何年前だったか思い出せない。中学のときの修学旅行のルートを思い出せない)

 

などで、体験したことが部分的に思い出せないのであって、体験自体の記憶(エピソード記憶)は保たれているのです。日常生活に支障はありません。

 

[図表]認知症でみられる「もの忘れ」と加齢に伴う「もの忘れ」の違い

もの忘れすることで、むしろ精神の健康につながる

一方、もの忘れは人にとって必要なことでもあるのです。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法~改訂版』より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

梶川 博 森 惟明

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢になるにつれて発症のリスクが高まる脳梗塞。 国民病ともされる脳梗塞の種類や予防法、治療法を知ることで、ならない工夫、なってからの対応を身に付けましょう。 「三大疾患に負けないシリーズ」第1弾!

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