(※画像はイメージです/PIXTA)

障がい者グループホームは利益が出にくいというのが、これまで投資家の間の共通認識でしたが、事業規模を拡大することで問題解決が可能となります。ここでは、具体的な数値を用いた試算により、定員を増やすことでどこまで収益が拡大するか明示していきます。

●表5で「人件費」を確認

5.人件費を見ます。

 

この施設では管理者がサービス管理責任者を兼務しており、サービス管理責任者としての給与が

 

1時間あたり1800円×160時間=28万8000円……①

 

入居者が多く世話人の数が増えたため、世話人の労働時間も多くなります。

 

1時間あたり950円×約1429時間=135万7595円……②

 

また、障がい支援区分3、4の人を対象としているため、生活支援員の労働時間が増えます。

 

1時間あたり1000円×約497.3時間=49万7270円……③

 

夜勤者の給与が

 

1時間あたり1188円×約420時間=49万8750円……④

 

①~④をトータルした金額は264万1615円となります。

 

これに13%の福利厚生費がかかるとして

 

264万1615円×0.13=34万3410円

 

人件費合計額は298万5025円です。

 

総収入に対する人件費率は

 

298万5025円÷613万8178円≒0.486

 

48.6%まで下がりました。

 

 

●表6で「損益通算」を確認

6.損益通算をしてみましょう。

 

総収入613万8178円−人件費298万5025円−その他固定費18万円−その他変動費69万9840円=227万3313円

 

利益の額は月額227万3313円という試算結果となりました。年額にすると2727万9756円となるのは、冒頭で述べたとおりです。

 

 

しっかり事業計画を立てれば、手堅い利益確保も可能に

障がい者グループホーム事業ではあまり利益が出ないといわれるのは、小さな規模で行った場合です。

 

ある程度の規模で、しっかりと事業計画を立て、計画どおりに実行できれば、障がい者グループホームは決して「儲からない事業」ではありません。自社で運営した場合に継続して利益を出していけるのはもちろんのこと、運営は福祉事業者に任せて不動産投資として行った場合でも、手堅く利益を確保していくことが可能です。

 

 

岩崎 弥一
アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会 副会長

 

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