5. おわりに
オフィス拡張移転DIをもとに2021年上期のオフィス移転動向を確認することで、
(1)オフィス拡張移転DIは、企業の拡張・縮小意欲が拮抗する水準で横ばいとなり、昨年来の低下に歯止めがかかる一方で、オフィス床解約の影響が大きく、空室率の上昇が続いていること
(2)業績悪化を理由とした縮小移転の動きは昨年で一巡し、コロナ禍を起点とした企業のオフィス再構築の動きが顕在化し始めた可能性があること
(3)Aクラスビルのオフィス拡張移転DIが大幅に低下するなか、定借期限を迎える大口テナントの動向や企業のオフィス戦略の動きによっては、空室率が想定以上に上振れする可能性があること、
がわかった。
ポストコロナのワークプレイス戦略を明確に打ち出している企業は依然少ない。しかし、2021年下期にはオフィス再構築に動く企業が増える可能性があり、データを丹念に確認していくことが求められる。
佐久間 誠
ニッセイ基礎研究所
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