(※写真はイメージです/PIXTA)

「企業型確定拠出年金」とは、企業が毎月拠出する掛金を、雇用者が自ら運用し、その結果によって将来受け取れる年金額が変わる制度です。運用できる商品はさまざま。「『公的年金』だけでは老後の資金が足りない…」、そこで注目される「企業型確定拠出年金」について、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が解説していきます。

30年前に買った「米国株式型の投資信託100万円」が…

日本の株式市場では、2021年2月にようやく日経平均株価が3万円程度になりました。30年ぶりに高値更新ということで話題になりました。リーマン・ショック後の2009年には8000円を割り込んでいますので、最安値から見れば約4倍になっています。しかし、30年前と同程度、という水準です。

 

ところが、海外に目を転じると、例えばアメリカの株式市場(ダウ平均)は、30年前(1991年)には2700ドル程度だったものが、直近では3万4000ドル程度まで上昇しています。この30年間で、実に約13倍にも増えたわけです。

 

30年前に、米国株式型の投資信託を100万円買っていれば、何もしないでただもっているだけで1300万円に増えています。30年間で13倍に増えたということは、利回りでいうと、年9%の複利運用ということになります。

 

ただし、これはあくまで過去を振り返った結果に過ぎません。今後の30年間も、同じようにアメリカ株式市場が成長する保証はありません。

 

そこで、分散投資という考え方が必要になります。将来のことは分からないので、いろいろな対象にわけて投資をしよう、ということです。

 

分散投資をしたとしても、3~5%の利回りを獲得することは十分可能です。例えば、中退共の運用利回りは1%です。利回りが1%でも3%でも、大きな違いはないと考えられるかもしれませんが、利息をさらに運用して利息が利息を生む「複利運用」においては、長く運用すればするほど、いわゆる雪だるま式に資産が増えていくため、1%でも利回りが違えば結果は大きく違ってくるのです。

 

月1万円を22歳から60歳まで積み立てたとき、利回り1%なら554万円にしかなりませんが、3%なら849万円、5%なら1358万円にも増えるのです(端数処理による誤差あり)。

 

あえてリスクを取って株式型商品への配分を増やして、このような大きなリターンを狙うことも、企業型確定拠出年金ならば加入者の思いどおりにできます。

 

 

細川 知宏

企業年金コンサルタント

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