在日韓国人の相続「財産の名義変更手続き」でやっかいになる点 (※画像はイメージです/PIXTA)

ただでさえややこしい相続手続き。国をまたいだ相続が発生すると、被相続人の居住場所をはじめ、確認すべき事項が一気に増えます。本連載では、在日韓国人の方の相続手続きについて見ていきましょう。「どちらの国で何をすればいいの?」といった基礎情報から、実際のノウハウまで、日本経営ウィル税理士法人の顧問税理士・親泊伸明氏が解説していきます。

韓国の相続税、年賦延納もできるが…「担保」の準備を

■相続税の納付

 

相続税の納付期限は申告期限と同じですが、分納又は年賦延納の制度により一時納付に伴う負担を軽減させることができます。

 

納付税額が1千万ウォンを超える場合、納付期限から2ヵ月以内の期間に限り、一定金額を分納することができます。相続税申告書の分納欄に記載すれば、別途申請は不要です。

 

なお、納付税額が2千万ウォンを超える場合には、所轄税務署の承認を得ることで年賦延納をすることができます。年賦延納の期間は原則5年以内で、各回の年賦延納税額が1千万ウォンを超えるように年賦延納期間を定めますが、一定の要件に該当する場合は、20年以内の期間を定めて年賦延納をすることができます。なお、年賦延納を申請する場合、担保を提供しなければなりません。担保の提供が可能な財産には、有価証券、土地、建物等が該当します。また一定の要件に該当する場合には、物納もできることとされています。

 

■日本への送金

 

韓国から日本に送金するには、韓国の外国為替取引法(日本の外国為替及び外国貿易法)による規制がありますので、韓国税務署の許可が必要となります。なお、送金する資金の出所が明らかでない場合には、通常は韓国税務署の許可を得ることは困難です。ただし、相続により取得した現金、相続した有価証券や不動産を売却した現金(譲渡所得税の申告及び納付が必要)については韓国税務署の許可を得ることができます。

 

通常、韓国税務署で預金等資金出処確認書、不動産売却資金確認書などを発行してもらい、指定取引外国為替銀行を登録、日本国内送金銀行を指定する手続きが必要となります。

 

■まとめ

 

今回は、相続人が確定したあとの手続きについて簡単に説明しました。手続き自体は日本と大きく変わりませんが、取引の慣習や、不動産に関する法律、金融商品取引法といった点などが異なります。また、金融機関によっても微妙に手続きが違うため、韓国語が分からなければ実務的には困難なことが多いです。そのため、実際にお手続きをされる場合には、在日韓国人の方の相続手続きに精通した専門家に相談されることをお勧めします。

 

 

親泊 伸明/しんぱく のぶあき

日本経営ウィル税理士法人 顧問税理士

税理士、一級建築士、社会保険労務士、行政書士 

日韓にまたがる相続につき実績があり、税理士を対象とした各種セミナーや、税理士会認定研修の講師も務める。

日韓相続支援:https://nktax.or.jp/company/nikkan/

専用電話:050-5330-1313  日本語・韓国語対応可 担当:李(イ)/崔(チェ・日本名・戸野)

1956年 大阪市生まれ
1977年 菱村総合税務会計事務所 入所
1986年 税理士登録
2002年 税理士法人関西合同事務所(社名変更:ウィル税理士法人)設立 代表社員税理士
2017年 税理士法人日本経営とウィル税理士法人が合併、日本経営ウィル税理士法人となる 代表社員税理士
2020年 同法人代表社員退任、同法人顧問に就任
2020年 税理士親泊伸明事務所 開業

著者紹介

連載「在日韓国人の相続」なかなか聞けない“ほんとの話”

本稿は筆者が令和3年5月現在の情報に基づき、一般的な内容を簡潔に述べたものである為、その内容の正確性、完全性、最新性、信頼性、有用性、目的適合性を保証するものではございません。実際の判断等は個別事情により取り扱いが異なる場合がありますので、税理士、弁護士などの専門家にご相談の上ご判断下さい。

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