(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後2000万円問題」が話題となったことからもうかがえるように、今、多くの日本人が老後生活に不安を抱えています。「公的年金だけでは老後の資金が足りない…」、そこで注目される「企業型確定拠出年金」「個人型確定拠出年金」について、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が解説していきます。

「企業型」には、iDeCoよりもメリットが多いワケ

会社員がiDeCoで支払う掛金は、一度は給与として受け取った金額のなかから支払う形になります。すると、いったんは所得税、住民税が課税されていることになります。しかし、掛金の全額が、小規模企業共済等掛金として、所得控除の対象つまり非課税となるので、年末調整により調整・還付されます。

 

ところが社会保険料については、掛金部分も社会保険料の算定基礎となっています。つまり、iDeCoに最大額を掛けても、社会保険料を削減する効果はない、ということです。

 

一方、企業型確定拠出年金の選択制といった拠出タイプの場合、支払った掛金は、給与ではない扱いとなるため、社会保険料の算定基礎が引き下げられることになります。そのため、社会保険料を引き下げる効果があります。

 

また、会社が給与に上乗せして拠出する標準型の拠出タイプの場合、加入者個人の負担額はゼロで、年金資産の積立ができます。

 

このようなことから、会社に選択制で企業型確定拠出年金が導入されているのであれば、企業型確定拠出年金に加入したほうが有利であり、会社員がiDeCoに加入するのは、会社に企業型確定拠出年金が導入されていないケースに、ほぼ限られるといえます。

 

なお、企業型確定拠出年金に加入していた人が転職して、転職先が企業型確定拠出年金を導入していない企業だった場合、前社で掛けていた企業型確定拠出年金の掛金はiDeCoへの移換手続きが必要です。

 

 

細川 知宏

企業年金コンサルタント

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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