ビビる大木氏が芸能界に入った25~26年前の若手のときは芸能界でも「お金の話」はタブーだったといいます。疑問が膨らんできたとき、矢沢永吉氏の「プロなんだから、ギャランティを大切にしろよ」の言葉に背中を押されたという。※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

芸能界自体が「カネの話」には閉鎖的だった

報酬のためだけに商売をしてはならない。そこに必要なことは自分への誇りである
単に自己の利益のみを主とし、利益を得んがために、商売をなすというならば、すなわち報酬を得たいために、職務を執るというに同じく、つまり報酬さえ得れば、職務はどうでもよいことになる。 
【『渋沢栄一訓言集』道徳と功利】

 

■芸能界での「お金の話」は!?

 

僕は自分の仕事を、金額を基準に選ぶことはしないという話をしました。その仕事にやりがいがあるか、ないかだと思っています。僕の美意識的に大っぴらに言うことはありませんが、今はこの姿勢を貫いています。

 

僕が芸能界に入った25~26年前は、「好きなことをやっているのだから、金じゃないよな」と自分が語るのではなく、人に言われることが多かったです。人に言われて、安い金額で押し切られる毎日でした。

 

「この仕事、いくらですか?」と、たとえばマネージャーに聞くと、「いや、好きでやっているんだから、金じゃないだろう」みたいに言われるのです。「タダでも行きたいんだろう?」と言うマネージャーもいました。こうした教育を擦り込まれ、抑え込まれた感じです。

 

芸能界でもお金の話はタブーだった?(※画像はイメージです/PIXTA)
芸能界でもお金の話はタブーだった?(※画像はイメージです/PIXTA)

 

だから、「本当にお金のことを言うのはよくないのかな」と思うようになりました。「確かに好きでやっているのは事実だし、何もしないで家にいるよりは、タダでもいいから仕事をしているほうが自分の勉強にもなるよな」と勝手に思い込んでいました。

 

しかし、仕事をしたのだから、仕事をした分だけのギャランティをもらわないと、「これは仕事じゃないよ」とも考えるようになってきました。働くことへの誇りが出てきたのかもしれません。

 

芸能界自体が、「カネの話は言うなよ」という感じでした。「売れりゃ、稼げんだからよ」という理屈でアバウトに丸め込まれていたのです。

 

もともとどういう世界かよく知らずに入っていますから、そういうものだと思い、過ごしていました。ただ、情報と知識は後から入ってきます。ですから、「あれ?」「あれ?」と疑問に感じることがどんどん増えていきました。

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