(※写真はイメージです/PIXTA)

腎機能が低下すると、水分量を多くして尿量を増やす必要がありますが、重症度が進むと今度は水分制限が必要になってきます。そのメカニズムとは? 水が慢性腎臓病(CKD)患者の身体にもたらす影響について、腎臓内科医・南青山内科クリニック院長の鈴木孝子氏が解説します。

心臓が「伸びきったゴム」になってしまうまで

透析治療を受けていて、尿の確保が困難となってきた患者さんにとって、注意すべき合併症の1つに心不全があります。心臓が動かなくなってしまうわけですから、命に関わります。

 

なぜ心不全のリスクを抱えるかといえば、余分な水分が体にたまる=血液がたくさんの水分を含むので量が増えるということですから、それを全身に巡らせるようポンプの役割を果たしている心臓に負担が掛かります。その結果、働きが低下して心不全を起こしてしまうのです。

 

まして、水を飲み過ぎてしまうと、ますます体内の水分量が増えますから、心臓に負担が掛かってしまいます。大量の血液を迎え入れ、押し出すために、心臓の筋肉である心筋が疲弊してしまいます。

 

例えるならズボンのゴムが伸びきってしまうようなもので、縮む力がなくなってしまうのです。それで心胸比も大きくなってしまうというわけです。

 

ですから、できるだけ長く心臓の機能を保つには、余分な水分を摂らないことが大切です。そして、水分を摂らないようにするために、塩分をできるだけ控えることが求められる、というわけです。

 

 

鈴木 孝子

南青山内科クリニック 院長 

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    ※本連載は、鈴木孝子氏の著書『「生涯現役」をかなえる在宅透析』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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