(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ感染拡大も落ち着きを見せている現在。「久しぶりにランチでも」と街を歩けば、飲食店の様々な看板が目に入ることでしょう。「この店に決めた!」と思ったとき、実は看板の“不思議なパワー”に引き寄せられているのかもしれません。看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が解説していきます。

「言われてみれば確かに」小さいレストランの看板は…

■お客さんを絞り込める

 

店の雰囲気やイメージを看板によって伝え、店主にとって来てほしいお客さんを集めることができます。「来てほしくないお客さんを遠ざける」ともいえます。看板は、より多くの人を集客することができますし、見せ方を工夫することで、来てほしい人を「選客」することもできるということです。

 

飲食店を例にすると、繁華街や駅前などには、赤提灯やネオンの目立つ看板を掲げている店があります。店前にはメニューを書いた看板があり、「生ビール190円」などと書いてあります。このような店は、お客さんに「安く飲めそうだ」という印象を与え、会社帰りにちょっと飲むお客さんでにぎわいます。

 

これは来店者数を増やしたい店の基本的な看板戦略で、看板によってにぎやかな雰囲気を演出し、より多くの人に店の存在を周知します。

 

一方、飲食店のなかには、小さく控えめな看板を掲げ、質素な見た目にしている店もあります。大衆居酒屋とは違い、外から中の様子は分かりません。メニューなども見当たりません。テーブル数が少ないフレンチレストランや、1日数組の予約で営業している店などにこのタイプが多く見受けられます。

 

このような店は、会社帰りに気軽に飲みたいお客さんを遠ざけます。これは来店者の量よりも質を重視したい店の基本的な看板戦略で、あえて店を周知せず、隠れ家のような雰囲気を醸成することで、接待やデートでの利用を獲得します。これが看板による選客です。

 

どの店にも、来てほしい客層やリピートしてほしい客層があるものです。希望するターゲット層と実際に来店する人の層をマッチさせる手段として、看板のデザインや出し方を工夫することは重要です。

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    ※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    看板マーケティング戦略

    看板マーケティング戦略

    越智 一治

    幻冬舎メディアコンサルティング

    ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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