「集中するのが苦手」「遅刻してしまう」自分は発達障害…?精神科医が解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

精神疾患患者は、年々増加傾向にあります。「集中力が続かない」ことなどを理由に自らに“発達障害”を疑う人も増えているようです。「病気」か否か、その境目はどこにあるのでしょうか。医療法人瑞枝会クリニック院長・精神科医の小椋哲氏が解説していきます。

「精神科なんて一生縁がないと思っていた人」ほど…

PSMの考え方は、患者の療養にも大きくプラスに働きます。

 

例えば、臨床の現場でよく出会う典型的なパターンが、「自分は精神科なんて、一生縁がないと思っていた」という人たちです。

 

こうした人たちは、精神科にかかるのは頭のおかしい人だと多数派の側から見下していたのに、突然自分が精神疾患になって異常の側に転げ落ちてしまった、なんということだ、と嘆き悲しむのですが、こうした考え方にとらわれていると、ただでさえ疾患で苦しむその患者は二重に苦しむことになります。

 

疾患に対する固定観念は、療養の妨げになります。

 

人は異常と正常のいずれかに分類されるものではなく、さまざまな領域で一定の条件がそろうと少数派の反応を起こす人がいるだけです。

 

それ以上でもそれ以下でもないことを理解してもらうだけで、スティグマが軽減し、療養に取り組みやすくなります。

 

 

小椋 哲

医療法人瑞枝会クリニック 院長

医療法人瑞枝会クリニック 院長 精神科医

1968年生まれ、鳥取県出身。
2005年熊本大学医学部医学科を卒業後、2007年東京大学医学部附属病院精神神経科に入局。
東京都立松沢病院、東京大学医学部附属病院(助教)、宇治おうばく病院などの勤務を経て、2015年瑞枝カウンセリングオフィスを開所。
瑞枝カウンセリングオフィスでの心理サービスを、精神科保険医療のなかでも展開するため、予約診療を自在に組み合わせた「瑞枝会モデル」を構築。
その実践の場として、2016年瑞枝クリニックを開業し、2018年医療法人瑞枝会クリニックに改組。
小学生時代に米国現地学校へ通い人種差別を経験。
中学では不登校となり児童精神科を受診、高校では精神的危機に陥り中退するなど、精神科ユーザーとしての苦しみに共感できる素地がある。

著者紹介

連載「精神科医が語る」医療現場の現実

※本連載は、小椋哲氏の著書『医師を疲弊させない!精神医療革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

医師を疲弊させない!精神医療革命

医師を疲弊させない!精神医療革命

小椋 哲

幻冬舎メディアコンサルティング

現在の精神医療は効率重視で、回転率を上げるために、5分程度の診療を行っている医師が多くいます。 一方で、高い志をもって最適な診療を実現しようとする医師は、診療報酬が追加できない“サービス診療"を行っています。 こ…

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