(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍を契機に、富裕層の投資行動はますます慎重になっているとの調査結果が出ているようです。しかし、先行き不透明な状況のなか、ただ立ち尽くしているだけでは資産は目減りしてしまいます。お勧めなのは、長期の運用を視野に入れた公的年金のポートフォリオをまねつつ、長期投資を行うことです。メリットと安全性について、メガバンク出身の目白大学短期大学部ビジネス社会学科教授、藤波大三郎氏が解説します。

資産運用のオリジナリティは「あとからついてくる」

そこで、ある投資方針についての意見を見るときは、同時に反対の立場の意見を探して知っておくといいでしょう。

 

ある意見と反対の意見とを同時に述べることは、コミュニケーションの学問の世界で「両面的コミュニケーション」と呼ばれ、公平なコミュニケーションであるとされます。実際、新聞の経済欄や政治欄でも、2つの対立する意見がある場合、立場の異なる論者にインタビューを行って、並列して掲載する場合がよく見られます。

 

同様に、冷静な投資判断を下すためには、相対立する意見をバランスよく知っておきたいものです。

 

ですから、分散投資のモデルも、公的年金だけでなく、企業年金が示すモデル・ポートフォリオなどいくつかのモデルを検討し、そのなかから選択してコピーすることが、資産を堅実に増やすことになると思われます。なお、金融庁もいくつかのモデル・ポートフォリオをホームページで示しています。

 

ともかく、投資経験がなければ先例に学ぶことであり、オリジナリティはあとからついてくるものと思いますが、いかがでしょうか。

 

そして一般的に個人の資産運用を考えるときに重要な点は、ライフプランとマーケット、そしてポートフォリオという枠組みです。

 

[図表]資産運用の枠組み

注目のセミナー情報

【事業投資】4月10日(水)開催
低リスク&安定収益、しかも手間なし
海外550店舗展開の革新的フィットネスFC
女性専用AIパーソナルジム「FURDI」
異業種でも安心の「運営代行モデル」を徹底解説

 

【国内不動産】4月13日(土)開催
実質利回り15%&短期償却で節税を実現
<安定>かつ<高稼働>が続く
屋内型「トランクルーム投資」成功の秘訣

市場の変化を予測するのは困難、積立投資がいちばん

富裕層の方の場合、ライフプランの観点では、企業オーナーの方の場合は自社の業績、地権者の方の場合は土地の価格や不動産賃貸業の業績等が考慮すべき内容となります。そして、マーケットは株式市場、債券市場、為替市場等が検討対象となります。ポートフォリオ、すなわち資産の組み合わせ方については、先述の通り、先例に学ぶことを基本にすればいいと思います。

 

富裕層の方の資産防衛の観点からの運用は、短期ではリスクが高いため、長期で行うことが前提とし、モデルとする基本ポートフォリオも年金資産運用等のものを説明しました。子どもへの相続という点を考えれば、運用期間は数十年を想定できますので、年金運用の基本ポートフォリオは適しています。

 

しかし、投資の開始時期のマーケットの状況は、基本ポートフォリオを計算するために用いた30年間等の長期の平均的な状況ではないのが普通でしょう。景気の拡大期であったり、後退期であったりするわけです。そこで、投資の開始は時間をかけて行い、一時的なマーケットの状況の影響を減らす工夫が必要となります。

 

しかし、マーケットの状況の変化を的確に判断することは極めて困難です。ですから、分散投資の開始時期も複数年に分けることが必要になるわけであり、積立投資で開始するということが堅実といえるでしょう。

 

 

藤波 大三郎
中央大学商学部 兼任講師

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

あなたにオススメのセミナー

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録
    TOPへ