(※写真はイメージです/PIXTA)

両親と同居していた妹家族。しかし、妹が亡くなり、母が亡くなり、父が高齢者施設に入所したことで、実家は義弟が1人で住むことに。しかし、父の通帳を「しまっておく」といって預かった義弟は、急に高額な買い物を繰り返し…。離れて暮らす姉は義弟を追及できません。どうすればいいのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

実家の庭先に止められた、見慣れない新車

父親の財産は、相続評価1000万円の自宅と預金1000万円です。今後父親が病気をしたら、預貯金から治療費を支払うことを想定していました。

 

ある日、たまたま時間ができたので、渡辺さんは娘の運転で実家を訪れました。すると、庭先に真新しい車が止まっているのが見えました。

 

「お客様かしら?」

 

渡辺さんは娘に少し離れた場所に車を止めてもらうと、実家の敷地に足を踏み入れました。

 

運転席から降りようとしていたのは義弟でした。

 

「これは…」

 

「ああ、お義姉さん。前の車が古くなってしまって、この間買い替えたんです」

 

渡辺さんが母親の仏壇に線香をあげたいと申し出ると、義弟は渋った様子でしたが、半ば強引に家に入ってみると、室内はリフォームされ、壁紙も絨毯も真新しくなっています。

 

渡辺さんは、父の預貯金が下ろされたのだろうと推測していますが、その場で義弟を追及することができず、悶々としていました。しかし娘から「このままだと、お爺ちゃんになにかあったとき困るかもしれない」と促され、筆者のところに訪れたのでした。

 

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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