夫婦合わせて「年金22万円」だが…最新「引き下げ額」の無惨 (写真はイメージです/PIXTA)

「年金引き下げのお知らせです。」……自助努力が求められるようになった日本社会。その辛い現状を見ていきましょう。

「令和3年度の年金額改定についてお知らせします」

少子高齢化の進む日本社会。現在、全人口は約1億2,500万人ですが、2065年には8,808万人まで減ってしまうと予測されています(総務省統計局)。社会保障への不安が尽きないなか、今年の初めに厚生労働省から下記の発表がありました。

 

“●令和3年度の年金額改定についてお知らせします
~年金額は昨年度から0.1%の引き下げです~

 

総務省から、本日(1月22日)、「令和2年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品を含む総合指数)が公表されました。

これを踏まえ、令和3年度の年金額は、法律の規定により、令和2年度から0.1%の引き下げとなります。”

 

厚生労働省年金局発表『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金が14万6,000円です。一方、国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万6,000円となっています。

 

引き下げ……と聞くとあまりに不穏な印象を覚えてしまいますが、その金額について、厚労省は下記のようにモデル例を示しています。

 

国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分)

令和2年度 65,141円 ⇒ 令和3年度 65,075円(▲66円)

 

厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)

令和2年度 220,724円 ⇒ 令和3年度 220,496円(▲228円)

 

2人以上の世帯の消費支出が約28万1000円です(総務統計局)。年金のみの収入で生活していく場合、なんとか生きていける数値といったところでしょうか。

 

実際のところ今回の発表、年金「マイナス0.1%」ですから、大幅な減少額ではないものの、油断は禁物。少し長い目で見てみると、年金平均受給額はゆっくりと着実に減っていっていることが分かります。

 

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老齢・退年相当の平均年金月額(老齢基礎年金分を含む)の推移を示したものである。

2000年:175,865円

2005年:165,083円

2010年:150,406円

2011年:149,687円

2012年:148,422円

2013年:145,596円

2014年:144,886円

2015年:145,305円

2016年:145,638円

2017年:144,903円

2018年:143,761円

2019年:144,268円

出所:厚生労働省『公的年金財政状況報告 令和元(2019)年度』

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人生100年時代となり、「老後」が20〜30年続くことが当たり前として考えられている今、十数年間の年金額減少が日々の暮らしにどのような影響を及ぼすか、想像に難くないでしょう。

 

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建て。ここに私的年金を上乗せして、「老後資金の備えをしよう!」というムーブメントが活発化しています。

 

確定拠出年金(企業型確定拠出年金/iDeCo)、国民年金基金……公的年金にも言えることですが、私的年金の仕組みは複雑かつ、デメリットがあるのも確かです(たとえばiDeCo。60歳までは引き落としが原則不可能です)。資産形成は早め早めに行うに越したことはないものの、焦ったゆえの決断は避けたいものです。

【ちなみに】都道府県別「厚生年金受給額ランキング」

前述の『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』では、都道府県別の厚生年金の受給状況を明かしています。

 

月額平均が最も高いのは、1位神奈川県「16万6,546円」。2位千葉県「16万997円」、3位東京都「15万9,556円」と続きます(関連記事『都道府県別「厚生年金」ランキング…1位神奈川「16万円」』)。なお受給者数100万人超えは神奈川と東京の2都県だけです。

 

[図表1]都道府県別厚生年金
[図表1]都道府県別厚生年金 厚生労働省年金局『令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』

 

全国平均(14万6,000円)と近しい金額となったのは、12位三重県「14万6,264円」、13位静岡県「14万6,021円」。以降、21位岡山県「14万501円」と続きますが、22位宮城県「13万9,163円」より、14万円を割り込みます。13万円台となったのは、宮城、富山、山梨、香川、長野、石川、北海道、愛媛、福井の計9県。以降、7県が年金「12万円」という結果でした。

 

現役世代は「もう年金を払うのやめたい。自分でどうにか貯めよう/稼ごう」……と思うかもしれませんが、不払いという選択肢をとってしまうと、年金の受給資格そのものがなくなってしまうことも。脱税と同じく、避け続ければ相応のペナルティを受けてしまうものです。

 

「豊かな老後」は、自助努力によって勝ち取る未来なのでしょうか。日々を生き抜く社会人は、穏やかな老い先を描けないまま、今日も働いています。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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